運動のリスク
 
運動のリスクも忘れないで ---運動は両刃の剣---

運動しているときは、全身の臓器が影響を受けます。とくに循環器系、呼吸器系、筋・骨格系は最も影響されます。心臓病がある人が激しい運動をすると予期せぬ事態になることもあります。運動は、長期的には成人病(生活習慣病)を予防する大きな効果がある反面、無理をすると重大事態に至る危険性のあることも理解しましょう。

■健康状態をチェックしメディカルチェック(医学的検査)を必ず受けよう

こんな症状があったら、まずドクターに相談して下さい。とくに運動中に症状がひどくなるような場合は要注意です。

強い息切れ、動悸、呼吸困難、胸痛、前胸部の不快感、めまい、立ちくらみ、頭痛、嘔気(吐き気)、腹痛、背部痛、関節痛、激しい筋肉痛

■運動するにあたっての注意点

●肥満の人

肥満は、摂取エネルギーに比べて消費エネルギーが少ないことによって生じます。長時間の運動でエネルギーを消費すれば改善します。強い運動を短時間行うよりも、軽い運動を長時間する方が疲労感も少なく、全体の消費エネルギーは多くなります。
関節や筋肉の傷害が起きないよう、走るよりも歩く方が良いでしょう。歩くことでも整形外科的傷害が起きた場合は、水中歩行や自転車こぎに変えるべきです。上手な減量には節食と運動のバランスが大切です。運動だけでの減量は至難ですし、節食だけでの減量は栄養のバランスがくずれ、かえって健康を損ねます。

●高血圧の人

高血圧の人には息をこらえて力を入れる運動は、血圧が著しく上昇して危険です。自然の呼吸で、適度なレベル(最大酸素摂取量の40~60%)内でコントロールできるものがよいでしょう。最も良いのは「歩行」です。暑いときや寒いときは服装や水分摂取に気をつけて歩いて下さい。また、過労のあるときは運動を控えましょう。

●高脂血症の人

有酸素運動はHDL(善玉コレステロール)を増加させます。また動脈硬化を予防する効果があります。しかし、強い運動は不整脈や狭心発作を誘発する危険があります。運動中に不快な胸痛や息切れを感じたら中止して、必ずかかりつけの医師に相談して下さい。

●糖尿病の人

日本人の糖尿病は遺伝素因のある人に過食や運動不足が加わって起こる確率が高いのです。このタイプの糖尿病にはあまり激しくない運動(最大酸素摂取量の40%)でも有効です。ただし合併症があったり、コントロール不良の場合には、運動がかえって病気を悪化させる場合がありますので、かかりつけの医師に相談して下さい。
また糖尿病では足の障害(神経障害、循環障害、水虫など)が起きやすいので歩行を続けるうえで注意して下さい。

●高尿酸血症の人

尿酸値は激しい運動によって上昇しますが、比較的軽い運動では逆に尿酸値を下げる効果があります。ただし痛風発作が出ている場合には、まず治療を行った方がよいので医師に相談して下さい。

●肝疾患の人

慢性的な肝疾患では一般的に強い運動は制限される事が多いようです。しかし明らかに脂肪肝による肝機能値の低下がある場合には積極的な運動が必要です。かかりつけの医師に相談して下さい。