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21世紀のたばこ対策検討会(第1回)

たばこによる経済損失

たばこの健康被害と経済損失は大きく、途上国におけるたばこ使用と被
の拡大から、感染症を上回る世界的脅威となることが予測されている



● たばこ関連疾患による死亡は、全世界で約300万人(先進国約200万人、途上国約100万人)と推計されている1 。我が国でも1950年代には殆ど認められなかったが、その後急増し、1995年には約9万5000人(総死亡の約12%)がたばこにより死亡し、35-69歳の若年死亡も計3万4000人(同約13%)と推計されている。

●健康被害の評価について、死亡のみならずQOLを加味した評価方法DALYs*(Disability Adjusted Life Years;障害調整生存年)が世界銀行等により採用され、それによれば、たばこのDALYsへの寄与率は1990年の2.6%から2020年には9%となり、21世紀初頭には感染症(エイズを含む)は減って、たばこの害や精神的ストレスによる疾患が、現在より多くなること、などが予測されている(図1)2

*DALYs=YLL(Years of Life Lost;早世による生命損失年数)+YLD(Years Lived with Disability;障害を抱えて生きる年数)

● 世界銀行によると、たばこの生産は、短期的には消費者と生産者にそれぞれ快楽と利益という便益を与えるが、長期的には医療費の増加と生産性の低下のため、世界経済に重大な損失がもたらされることから、たばこ生産に新たな貸付を行わないことを決定した3

● 我が国でも、たばこによる超過医療費は1993年には約1兆2000億円(国民医療費の約5%、たばこ国税相当)と試算され(表1)4 、うち公費負担は約3800億円保険者負担は約7000億円と推定されている 。



[Murry, C.et al 1996]


表1 我が国におけるたばこによる超過医療費:1993年試算

疾病名 超過医療費
悪性新生物

高血圧性疾患

虚血性心疾患

脳血管疾患

慢性気管支炎

喘息

胃・十二指腸潰瘍

肝疾患
3267億円

2978億円

1719億円

926億円

102億円

756億円

1770億円

723億円
1兆2241億円

[(財)医療経済研究機構 1997]