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たばこと健康に関する世界保健総会決議

1970(昭和45)年 第23回

 喫煙対策の推進に関し、次のような決議がされた。

  1. できる限り早い時期に喫煙による健康問題をテーマとした世界保健デーを開催することを検討すること。

  2. 喫煙を抑制するための対策を推進する専門委員会の招集を検討すること。

  3. 若年者が喫煙を開始しないような教育方法を検討すること。

  4. たばこ生産国における農産物代替について研究する必要性があることを国連食料農業機関(FAO)の注意を喚起すること。

  5. 提案された活動および財政上の結果について、47回の理事会と24回世界保健総会において報告すること。


1971(昭和46)年 第24回

 喫煙による健康影響の観点から次のような決議がされた。

  1. 喫煙による健康影響に関する情報を収集し、喫煙習慣を減らすような活動を引き続き行うこと。

  2. 実行可能な計画の不可欠な事項として喫煙のコントロールと防止に重点をおくこと。

  3. 喫煙による健康影響について注意を喚起するとともに、たばこ消費を減らす観点から葉たばこ生産地域における農産物の多様化に関する研究に取り組む必要があることを国連食料農業機関(FAO)の注意を喚起するために、国連や非政府組織などと協力しながら進めること。

  4. 喫煙習慣を止めさせるための教育教材の開発、配布、相互交換を含む健康教育活動の強化を図ること。

  5. 喫煙の健康影響に関連した法的措置を整備するよう政府に働きかけていくこと。


1976(昭和51)年 第29回

 発展途上国および若年者、女性の紙巻たばこ消費量の急激な増加に関心を持ち、非喫煙者の保護と権利を保障するため、次のような勧告を行った。

  1. たばこの抑制や予防を効果的に進めるための機関を設けること。

  2. 関係機関と協力して非喫煙のための健康教育を強化すること。

  3. 非喫煙者を保護するために講ずるべき方策を検討すること。等


1978(昭和53)年 第31回

 喫煙は、心筋梗塞、ある種の妊娠異常や分娩異常およびその他多くの重大な健康問題の主要な危険因子であることなどを認識し、紙巻たばこの増税と全ての広告の制限ならびに非喫煙者の権利の擁護等について勧告した。


1980(昭和55)年 第33回

 妊婦、授乳中の母親および子供のような危険度の高いグループに対して特に喫煙の悪影響があることを認識させ、広告の禁止、規制および青少年に教育上のアプローチを行うべきことを勧告した。なお、WHOは1988年4月7日を世界保健デーとし、テーマに「喫煙か健康か選ぶのはあなた」を選択した。


1986(昭和61)年 第39回

 公共の場所において非喫煙者がたばこの煙にさらされないような措置、子供や若年者が喫煙の習慣をつけないようにするための措置、たばこの習慣性等についての警告表示等の実施など以下の9項目を最低限満たす喫煙対策を実施するよう勧告した。

  1. 受動喫煙からの非喫煙者の保護:閉鎖された公共の場所、レストラン、輸送機関、職場、娯楽場。

  2. 子供、若年者のたばこからの保護及びたばこ使用の防止。

  3. 保健医療施設で保健医療関係者が模範を示すこと。

  4. たばこ使用を習慣化、促進化する社会経済的、行動学的その他誘因の漸進的な排除。

  5. 健康への警告表示の明示:たばこの依存性や成分について包装への明示を含む。

  6. たばこと健康に関する教育や公衆情報プログラムの確立;保健関係者やメディアを積極的に関与させた禁煙プログラムを含む。

  7. 喫煙、たばこ使用、たばこ関連疾患、喫煙対策の効果に関する動向のモニタリング。

  8. たばこ生産、販売、課税の実効ある経済的な代替促進。

  9. 以上あらゆる活動への働きかけ、サポート、協力するための国家的な中核拠点の確立。


1987(昭和62)年 第40回

 1988年4月7日のWHO40周年を記念して、加盟各国に対して、各国の喫煙対策の一環して可能であれば法的規制を含めた全ての適切な手段により、次のことを行うよう呼びかけることが決議された。

  1. 1988年4月7日を世界禁煙デー(World no‐smoking day)とする。

  2. 当日国民に対して適切なあらゆる手段により、その国のあらゆる形態の喫煙を断念させること。

  3. 政府内部、非政府機関と協力して、その機会に禁煙キャンペーン、健康増進対策を推進強化すること。

  4. たばこ販売者に当日すべてのたばこ製品の販売を自粛するよう指導すること。


1988(昭和63)年 第41回

 第1回世界禁煙デー(1988年4月7日)のフォローを行うために、事務総長にたばこと健康に関する行動計画の策定を求めることが決議さされた。


1989(平成元)年 第42回

 第42回WHO総会において、1989年5月31日を世界禁煙デー(World No‐Tobacco Day)として以後も毎年5月31日に各種の喫煙対策を実施すること及び「たばこに関するWHOの行動計画」が決議された。

  1. がん死亡の3分の1および冠状動脈疾患の4分の1を含み、たばこが原因とみられる死亡の総数が世界で200万人に達することを鑑み、理事会で賛成が得られた「たばこに関するWHOの行動計画」を承認する。

  2. 事務局長に対して加盟各国、非政府組織、経済関係者および世界食料農業機関(FAO)との連携を十分にとり計画を実行することを求める。


1990(平成2)年 第43回

 以下の項目を考慮し、法的規制を含めた多面的な総合的なたばこ抑制策を行うことを決議した。

  1. 職場、公共の場における、特に妊婦、子供に対する効果的な受動喫煙対策。

  2. たばこにかかる課税の強化。

  3. たばこの広告、販売促進を排除するための規制その他の措置。


1991(平成3)年  第44回

 公共の輸送機関における禁煙・分煙の促進と受動喫煙から子供等を保護するために必要な健康教育の推進について勧告した。


1992(平成4)年 第45回

 加盟各国においてはWHOの「たばこか健康か」プログラムについて多方面の協力を取り付け推進していくこと、また、たばこ生産に依存している国々への援助にあたって、たばこ生産に関する社会経済的な問題や経済的困難性があることをWHOとして関心を寄せていることを、国連の経済社会理事会に伝え注意を喚起することが決議された。


1993(平成5)年 第46回

 WHO事務局長は国連総長に対して、以下の点につき、重要事項としてアプローチするよう要請する旨の決議がなされた。

  1. 国連の組織や特別機関により所有、管理されている全ての建物において、あらゆる種類のたばこの販売や使用を禁止するよう必要な措置を取ること。

  2. 今回の総会の日から最大2年を限度に、この禁止措置を確実に行うこと。

  3. 喫煙者で禁煙を希望している従業員に対しては、禁煙プログラムに参画できるよう促し援助すること、また、喫煙を続けている者に対しては、屋外の喫煙所を設けること。

  4. 第48回世界保健機関総会において、この決議の実行に関する進捗状況について報告するようWHO事務局長に要請する。

1996(平成8)年 第49回(WHA49.17, 1996年5月25日)

たばこ対策のための国際的枠組み協定

第49回世界保健総会において、総合的多面的長期的なたばこ対策戦略を求めた決議WHA29.55、WHA31.56、WHA33.35、WHA39.14、WHA43.16、WHA45.20を踏まえ、以下の決議がなされた。

決議WHA48.11での請求を受けて、たばこ対策のための国際的手段の開発は可能であるとの事務総長の報告に注目し、

  1. 全加盟国及び適当な国連組織の諸機関ならびに他の国際機関に対し、決議WHA39.14ならびにWHA43.16で言及された方法を含む総合的なたばこ対策戦略の前進的な実施を求める。

  2. 加盟国に対し、この決議の実行のために、必要な予算外の財源の拠出を求める。

  3. 事務総長に対し、以下を請求する。

(1)WHO憲章19条に基づき枠組み協定の開発を始めること、

(2)加盟国の総合的たばこ対策政策の採択への前進を奨励し、国境を越えるたばこ対策の諸問題を解決する戦略を、この枠組み協定の一部に位置づけること、

(3)この発議権を国連事務総長に知らせ、国連組織によって「たばこか健康か」に関する焦点を調整する協力を要求すること、

(4)決議WHA43.16で要求された加盟国の総合的なたばこ対策計画の進捗状況と有効性について、事務総長の2年毎の世界保健総会に対する報告書で、枠組み協定の開発を報告すること。