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米国におけるたばこ訴訟の和解について

  • 米国において、州政府における医療費負担の抑制の観点から、たばこによる医療費増をめぐり、39州がたばこ関連産業各社に対し、損害賠償請求訴訟を起こした。

    2ヶ月にわたる和解交渉の末、7月の公判を前に6月20日、原告(39州の州政府検事総長と禁煙団体の代表)と被告(たばこ関連産業各社)との間で、和解案が合意された。

    和解案の骨子は、下記の通り:

    1. メーカー側が今後25年間に総額3685億$(約42兆円)の和解金を支払う。(基金を創設し、州政府や他の訴訟の原告への支払い、禁煙教育の資金とする)
    2. メーカー側は、将来の損害賠償について、一定範囲での免責を得る。(現在係争中の個人訴訟や集団訴訟の損害賠償を免れる)
    3. 米食品医薬品局(FDA)は、将来たばこのニコチン含量を制限できる。
    4. たばこ自動販売機の設置禁止。
    5. 漫画や人物などキャラクターを用いた宣伝の禁止を含むたばこ広告の大幅な規制。
    6. レストランなどを除き、職場や公共の場所での喫煙禁止。など。

  • 合意内容の実施には、米政府の承認を得た上で、連邦法として米連邦議会で法制化する必要があるが、和解金の金額やFDAの管轄権、施行後の効果、国外市場への影響などをめぐって、議論が続けられている。

  • 連邦議会が召喚した「Koop-Kessler諮問委員会」(7月9日)は、和解案を詳細に分析し、たばこ対策と公衆衛生政策のための計画を報告書にまとめ、和解案よりも一層厳しい代案として提出した。

    また、クリントン大統領も、結果としてFDAの権限を弱めることになる和解案は不適当であるという声明を発表している(7月10日)。
     

  • 尚、米国では、州政府による医療費の損害賠償訴訟の他に、たばこにより能動喫煙や受動喫煙による肺がん、ニコチン依存症などになったとして、個人訴訟(約300件)と集団訴訟(約20件)が係争中である。