21世紀のたばこ対策検討会(第1回)
3-1公衆衛生領域におけるリスク管理
| 日常的に人体に摂取される物質は、たばこ製品を除き、公衆衛生上の規制の対象になっている。 |
●食品、水、空気、医薬品等、およそ人体に摂取される物質は、公衆衛生上の規制の対象となっている(表1)。これらの規制は、近年リスク管理の考え方に基づいて実施されつつあるが、一般に規制値の設定は、リスク評価をもとに、閾値のあるものについては最大無作用量等に十分な安全係数(通常1/100〜1/1000)を乗じて基準値を求め、発がん物質のうち遺伝子毒性をもつイニシエーターなどについては閾値が存在しないなどと考え、acceptable riskとして生涯リスクが10-5〜10-7のレベルになるよう規制する方向にある(表2)。
●実際には化学物質によって得られる便益とリスクを比較し、社会が許容できるものであれば必要悪として受け入れられているが、リスクをできるだけ下げ、かつできるだけ大きな便益を得るのが理想であること、環境汚染の場合にはリスクを負う者は必ずしも便益を得る者ではないことが多い。
● 紙巻たばこは葉たばこ、人工原料や添加物などを原料に、種々の加工がされた工業製品である(表3)123 。
表1 我が国における生活関連物質と公衆衛生上の規制の例
| 生活関連物質 | 公衆衛生上の規制 | 生活関連物質 | 公衆衛生上の規制 |
| 食品 | 食品衛生法 4 | 医薬品 | 薬事法5 |
| 食品添加物 | 食品衛生法(原則内容表示) | 医薬部外品 | 薬事法 |
| 食品中の農薬等 | 食品衛生法 | 化粧品 | 薬事法 |
| 食器 | 食品衛生法 | 空気 | 大気汚染防止法 6/建築物における衛生的環境の確保 に関する法律 7/廃棄物の処理及び清掃に関する法律 8 |
| おもちゃ | 食品衛生法 | ||
| 食品衛生法/水道法 9 | 職域 | 労働安全衛生法 10 |
表3 紙巻たばこができるまで
| 原料葉たばこの調整 →→→ 加工処理 →→→ ブレンド →→→ 裁刻 →→→ 加香 →→→ 巻上 →→→ 包装 ・原料たばこの種類:Blond tobacco、Dark tobacco、Oriental Leaf ・その他の原料たばこ:Tobacco sheet、Expanded tobacco、Artificial tobacco、Tobaccoextraacts and nicotine ・添加物・・・約600種類(米国):ブレンドへの添加、たばこシート、巻紙、フィルター、包装等への添加 |
[日本たばこ協会、Slade 1993、Tobacco Reporter1996]