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21世紀のたばこ対策検討会(第1回)

●青少年の喫煙(あるいは青少年への販売)を法律で禁止している国は多いが、古い時代の未成年者喫煙禁止法は、健康面よりは非行防止の観点から制定されており、また、小売店や自動販売機から容易に購入できることが多い 。世界的に青少年や女性の喫煙率は最近増加しており、これらの集団は特に健康リスクが高くニコチン依存にも陥りやすいため、未然防止の観点から、販売規制(自動販売機の禁止、罰則規定)や広告規制(表3)、価格政策(表4)、警告表示(表5)の強化の重要性が指摘されている3.4.5.6

● 欧州連合(EU)は、1989年指令でテレビ広告を禁止していたが、1997年、保健相理事会がたばこ広告の禁止に関わる指令案を採択し、EU域内におけるたばこの広告・後援(F1を含む)の2006年までの段階的全面禁止と法制化を決定した。ドイツ・オーストリアの反対や業界団体の反発があり、発効には1998年の欧州議会の承認が必要なため、賛否両論の議論が続いている。欧州委員会は、「銃器や一部医薬品など、潜在的危険性のために広告が許されない製品は実は数が多く、たばこもまさにその一つだ」と禁止の意義を強調している 。

表3 広告規制の比較(斜体は行政指導・自主規制)
電波(テレビ・ラジオ) 印刷(新聞・雑誌) 屋外看板 販売促進活動 後援活動 間接広告
日本 自主規制、1998年よ
り中止
自主規制、相互監視
アメリカ 1971年禁止 1996年FDA規則(たばこ産業が提訴し、連邦裁判所がFDAの規制権限を認めない判決)
イギリス 1964年紙巻たばこ
禁止、1991年全製品
自主規制を、政府と第三者機関が監視、広告費に上限 スポーツは申し
合わせで規制
イタリア 1991年テレビ禁止 1962年禁止、1983年罰金の引き上げ 1991年
テレビで禁止
カナダ 1988年禁止 1989年禁止 たばこ産業が自粛 銘柄名禁止
ドイツ 1974年禁止 自主規制を、裁判所が監視 無料見本自粛
フランス 1993年たばことアルコールに関する法律:店頭販売を除く、あらゆる形態の広告・販売促進活動を禁止
欧州連合 1989年指令で禁止 1997年保健相会議:あらゆる形態の広告・販売促進・後援活動を禁止する指令案採尺
オーストラリア 1976年紙巻たばこ
禁止、1988年全製品
1989年禁止 1992年禁止 ビクトリア州、南オーストラリア州、タスマニア州
首都域で禁止
1992年禁止

表4 価格政策(たばこ税)の比較

内容 標準価格(マルボロレギュラー1箱) たばこ税
日本 定価制、1本あたり国税3.126円+地方税3.126円+消費税5% 260円 60%
アメリカ 1箱あたり連邦税24¢/箱、州税2.5-81.5¢(平均32.7¢) CA262.48円、NY247.96円 平均30%
イギリス 若年者の消費削減策として、蔵相が毎年3%の引き上げを言明 627.49円 77%
イタリア 1987年から1991年に37.5%(インフレ調整5%)引き上げ 365.53円 72%
カナダ 1991年に増税したが密輸が増加し、1994年に税率引き下げ オンタリオ239.99円、ケベック327.25円 64%
ドイツ 1987年から1993年に16.8%(インフレ調整4%)引き上げ 362.25円 70%
フランス 1987年から1993年に57%(インフレ調整31%)引き上げ 396.21円 75%
欧州連合 指令により、課税の最低基準は最終小売価格の70% 最低70%
オーストラリア 若年者の消費削減策として、1993年以降23%引き上げ NSW610.39円、QL523.19円 平均63%