第10回たばこか健康か世界会議決議
(中国・北京市)1997年8月24-28日
現在年間350万人のたばこが原因の死亡が、2025年までに年間1000万人に増加し、この災厄が発展途上国と女性において特に拡大していることに、会議は注目する。
この増大する世界的な死亡と疾患の災厄は、たばこの使用に責任があること、受動喫煙が有害であることを確認する膨大な科学的証拠を踏まえて、第10回たばこか健康か世界会議は以下の決議を行う。
1.たばこ使用の中止
来る20年間に1億人以上の死亡をもたらすという世界的なたばこ関連疾患死亡全体の将来推計を減少させることが、数百万人の人命を救うための唯一の方法であることを踏まえ、会議は以下のことを勧告する。
- 公衆衛生関係団体は、人々がたばこ製品の使用を中止するために不屈の努力を行うこと。
2.WHOたばこ対策のための国際枠組み条約
会議は以下のことを勧告する。
- 世界保健機関(WHO)と各国政府は、包括的たばこ対策プログラムのための条約案と過去の世界会議の勧告を含み、長期にわたってより広範でより拘束のある能力をもった国際枠組み条約を公式化すること。
- 各国政府は、WHOが1996年の第49回世界保健総会で請求されたばこ対策のための枠組み条約を開発できるよう、必要な財政的技術的資源をWHOが利用できるようにすること。
- WHOは、2000年の第53回世界保健総会において、包括的枠組み条約が合意を得られるよう、開発を急ぐこと。
- 全ての政府は、2000年の第53回世界保健総会における枠組み条約の本文に合意し、条約を批准し速やかな履行に移すこと。
3.国際連合
会議は以下のことを勧告する。
- 国連事務総長は、国連及び国連機関において、たばこ対策の問題に最高の優先順位を与えること。
- 各国政府は、国際的たばこ対策の問題を国連における最高の優先課題として取り上げ、世界中でこの問題に対し、十分な財源と政治的関与を保証できるようにすること。
4.国内たばこ対策方策の国際適用
会議は、各国政府が、たばこ対策方針あるいはたばこ産業との和解を国際的に適用することを考慮し、以下のことを確認することを勧告する。
- そのような方策は、世界中のたばこ関連死亡や疾患の増加に何ら貢献しないこと。
- いかなる和解や対策にも加わらない者の法的権利が十分に保護されること。
- そのような方策は、過去、現在、未来にわたるたばこ産業の活動を、公衆が精査することを妨げないこと。
- たばこ産業は、たばこが原因の障害のコストを支払うこと。
5.女性と開発途上国・中途開発国の代表の参加
会議は以下のことを勧告する。
- WHO専門家顧問委員会のような戦略立案ならびにたばこ対策方針策定、実施、評価に関わる全ての機関は、女性と途上国ならびに中途開発国の関与と代表者を増加させること。
- 将来のたばこか健康か世界会議は第10回世界会議の成功例に従い、以下のことを確認すること。
- 検討会委員、総会演者、座長、討論者として、女性の平等な代表性と途上国ならびに中途開発国の強固な代表性を確保すること。
- 女性、少数民族、途上国ならびに中途開発国からの人々を含む全ての重要な構成員が、あらゆるレベルで参加できるよう支援を行うこと。
6.人的、社会的、環境的なたばこのコストを十分に反映させること
会議は以下のことを勧告する。
- たばこの災厄の世界的な監視体制の確立ならびに維持、および適当な資源を供給すること。
- 環境に対する障害、就労者に対する害、喫煙者と受動喫煙者に対する障害、ならびに社会にもたらされる全ての他のたばこによるコストを考慮した、たばこ耕作、製造、使用の完璧な経済分析を行うための共同研究を、財政支援し実施する適当な多面的政府機関と開発銀行。
- 大蔵省、開発銀行や国際通貨基金のような機関を含む経済政策と助言のために責任のある者は、たばこによる健康、環境、社会、経済的なコストは全て、税金によってたばこ製品の価格に反映させるべきことを確認すること。
7.たばこを有害な物質として特別に扱い、規制すること
会議は以下のことを勧告する。
- 全ての政府は、たばこは特別に危険であり、正常な消費製品として扱うことはできないことを認識すること。なぜならば、たばこは合法的で広範に使用されていようとも、製造業者が意図したように用いた場合、非常に有害でかつ強力な依存性を発揮する唯一の物質だからである。
- 全ての政府は、たばこ製品と煙の内容を明らかにし、たばこビジネスをあらゆる側面から、厳しく法律による規制対策に結びつけること。
8.たばこのない世界を目指して協力連携を拡大すること
会議は以下のことを勧告する。
- たばこ対策に関わる全ての非政府機関は、INGCAT(反たばこ国際非政府組織連盟)を支援すること。
- 看護専門職や宗教団体のようなたばこ対策に関わる全ての団体に国際的なネットワーキングが形成されること。
より健康で、たばこのない世界の実現は、我々一人一人にかかっている。各国政府、国際機関、非政府組織、共同体、そして個人。世界からたばこをなくすために力を合わせて結集しよう。