
1995年11月22日から24日までタイのチェンマイにおいてアジア太平洋たばこ対策協議会(APACT)により第4回アジア太平洋たばこと健康会議が開催され、10数か国より300人を越える人々が集い、たばこと健康に関する種々の問題について議論が行われました。この会議のたばこ問題に対する基本的認識として、たばこはアジア太平洋地或の公衆衛生問題としては最大級のものであるということがあります。すなわち、アジア太平洋地或では、西欧の傾向と異なり喫煙率が上昇し、世界で最も大きく、かつ儲かるたばこ市場となっており、その原因としては、経済成長率が高いこと、政府の規制が弱いこと、人口の増加が著しいこと、健康障害に対する関心がいまだ低いこと、たばこ対策に投ずる資金に欠けていること、たばこ産業が積極的な攻勢をかけていることなどがあげられています。事実、今後20年のうちに、この地域では約500万人の人口増加が見込まれるため、たばこ産業にとってはきわめて魅力的な地或であることは間違いのないところであり、その販売戦略の重点はすでに西欧からアジアに移っているといわれています。このため、この会議のメインテーマは「たばこ対策における国家の役割の強化」とされました。しかし、会議の参加者はたばこ対策に関わるすべての人々であり、たばこ対策に取り組んでいる政府関係者はもちろん、NGO活動家等も多く参加していました。
開会式では、主催者であるタイの保健研究所、保健財団の挨拶、タイの公衆衛生省関係者やWHO関係者、地元自治体代表者等の祝辞があったあと、地元の幼稚園児による合唱があり、「子どものことを考えて、みんなたばこを吸うのをやめて、健康で幸せになりましょう」、「誕生日の一番の贈り物は両親がたばこをやめることです」、「たばこのない社会を作るために手を取り合ってがんばりましょう」と歌い、会議を盛り上げて拍手喝果を浴びました。
会議は学会形式で行われましたが、会講の性格を反映し、たばこの人体影響に関する研究から、各国のたばこ対策、たばこ追放キャンペーンの具体的な内容の紹介等まで、きわめて幅広いものでした。日本からは、あわせて9題の発表があり、たばこの社会的な損失・コストの分析、たばこ関連諸団体の活動、青少年における問題、禁煙に関わる医学的問題等について発表がありましたが、なかでも昨年厚生省が発表した「たばこ行動計画」については関心が集中しました。
アジア太平洋地域では、たばこに関して各国政府やNG0の関心が高まってきており、主催国であるタイでは1992年にたばこの生産を規制する法律、非喫煙者の健康保護に関する法律が施行されており、発表のあった各国でも工夫を凝らした種々の対策がとられていたり、とられつつある状況がうかがえました。わが国についても、たばこ行動計画に基づいた着実なたばこ対策の進展が期待されています。
<決議>
APACT総会の開会式で、左記の決議が採択されました。
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