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第20回

[回答者]宮崎 恭一・たばこと健康全国協議会事務局長/CanDoHarajuku所長

たばこQ&A

Q1:日本の喫煙率はどうなっていますか。

昨年のJTの調査によりますと、男性57.5%、女性14.2%で、諸外国と比べて男性の喫煙率が高いですね。しかし厚生省の平成7年度国民栄養調査では前年度より高くなっているのです。

Q2:中高年の喫煙率は下がっている感じなのですが。

確かに中高年の喫煙率は下がっています。しかし問題なのは若年層の喫煙が増加していることです。20代ですと70%近くになっていますし、未成年者も高校3年生の男子では30〜40%の常習喫煙率となっています。

Q3:たばこに関して国はどのような取り組みをしてきているのでしょうか。

厚生省では1987年公衆衛生審議会の[喫煙と健康ー喫煙と健康問題に関する報告書」を契機として、本格的なたばこ対策の取組みが始まりました。この報告書はその後1993年に改訂されました。これらを踏まえて、1995年に「たばこ行動計画」が作られ、未成年の喫煙防止である「防煙」、非喫煙者に対する受動喫煙の害を排除・滅少させる「分煙」、禁煙希望者に対し禁煙を支援する「禁煙サポート」の3つの柱に沿った対策が展開されています。

Q4:分煙対策は現在どのように進んでいるのですか?

たばこ行動計画を受けて、1996年に厚生省より[公共の場所における分煙のあり方検討会報告書」が、ほぼ同時に労働省からは「職場における喫煙対策のためのガイドライン」が、1997年には人事院より「公務職場における喫煙対策指針作成検討会報告書」がまとめられました。また、東京都では「都立施設分煙化計画」を打ち立てるなど、国においても、地方公共団体においても、分煙対策については方向性が示されてきています。

Q5:民間の力によるたばこ対策もかなり広まっているようですが。

 米国で1970年代より開始され“NON-SMOKER'S RIGHT MOVEMENT”の動きを受けて、わが国でも「嫌煙権」を主張する市民の活動が始まり、1978年に「全国禁煙・嫌煙運動連絡協議会」が11団体で形成され、1988年には「たばこと健康全国協議会」に名称が変更され、現在70団体になりました。さらに、国民の喫煙率を低減させ「たばこのない社会」を実現する目的で、1991年には結核予防会など厚生省認可の公益法人6団体により「たばこと健康問題NGO協議会」が発足し、現在7団体となっています。活動は、毎年の世界禁煙デー記念行事の開催、たばこと健康問題に関する連絡と調整、情報収集と提供などです。今年も5月31日には東京の国連大学会議場で、記念シンポジウムを開催しました。

Q6:たばこに関して今後の課題は何でしょうか。

 まず未成年者にたばこを吸わせないような、健康教育が必要です。私が所長をつとめる「Can Do Harajuku」としても年間50校以上の中学校を回っていますが、学校としても対策に頭を痛められているようです。この講演活動の成果として、何回か繰り返すうちに、まず先生方がたばこをやめて下さっています。また、未成年のたばこの入手先として筆頭にあげられるたばこ自動販売機や、未成年の喫煙を助長するテレビ、ラジオ、雑誌などのたばこ広告の規制が急がれます。欧米では、たばこやアルコールが「ドラッグ」の入り口として認識されており、この視点からも検討を加えていくことが大切でしょう。
 さらに、喫煙者に対する禁煙支援として「5日でたばこがやめられる」講習会のようなプログラムを全国的に展開する必要があるということや、公共の場所はもちろん、歩行禁煙、職場の喫煙対策など、今後解決しなければならない問題は山積みです。これらに関しては、厚生省の平成9年度予算で、地域における分煙行動計画策定事業や断たばこ教室開催事業に対し補助を行うことが決定されましたが、たばこ対策費として総額2兆円以上というたばこ税の1%でも利用できればよいのですが。