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第27回

厚生省保健医療局地域保険・健康増進栄養課

たばこと妊娠

 妊婦がたばこを吸うと、胎児の発育障害、分娩時の異常が生じる危険性が高まることが明らかになってきました。胎児への影響としては、出生体重の低下のみならず、身長、頭囲、胸囲など身体発育全体の値が低下し、また、先天異常の頻度が増加します。例えば、喫煙する妊婦から生まれた子どもの体重は、非喫煙者に比べて約200グラム軽く、また低体重児の頻度も約2倍程度になります。

 また、妊娠・分娩への影響としては、たばこを吸う妊婦では、非喫煙者に比べて、早産および自然流産の頻度が約1.5倍に、周産期死亡も1.2〜1.4倍になり、胎盤早期はく離、全置胎盤、出血などの妊娠合併症の危険性も高くなります。さらに、妊娠中の受動喫煙の影響として、低体重児の頻度が高くなります。ちなみに、母親となる女性が妊娠前に禁煙した場合には、出生体重は非喫煙者とほぼ同等になります。

 さて、喫煙は妊娠した女性の身体や胎児にどのような医学的影響をもたらすのでしょうか。たばこの煙に含まれるニコチンは、血管を収縮させ、子宮そして胎盤への血液量を減少させてしまいます。さらに、たばこの煙中の一酸化炭素が胎児のヘモグ口ビンと結合して酸素の運搬能力を大幅に低下させます。これらが相まって、胎児は低酸素の状態にさらされることになります。加えて、胎盤も機能が落ちて障害をうけるために、妊娠や分娩の際の合併症が起こりやすくなるわけです。

 また、女性が喫煙すると不妊になる危険性が高まることや、授乳婦が喫煙すると母乳中にニコチン等が分泌されて、乳児に悪影響を及ぼす可能性もあります。

妊婦の喫煙の妊娠・分娩に影響を及ぼすメカニズム