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その他のがん、循環器疾患

  副鼻腔がんについても、夫の喫煙により非喫煙配偶者の死亡率が喫煙本数により、増加することが見いだされています。その他、非喫煙者において、受動喫煙が虚血性心疾患や脳虚血の発作も危険性を高めることが分かってきました。
  現在、受動喫煙への曝露は、肺がんの原因となる(2-3割リスク増)だけでなく、循環器疾患の原因となる(2-3割)ことも明らかとなりました。受動喫煙と肺がんの背景として、たばこの煙には発癌性物質が含まれる、かつ受動喫煙に曝露された非喫煙者の尿からもそうした物質が検出される、ということがあります。また、受動喫煙と循環器疾患の背景として、血液の凝固促進効果が認められる、血管内皮細胞が影響を受ける、さらには、実験動物では受動喫煙曝露は動脈硬化の原因となる、ということがあります。
  さらに、上記のような慢性的な影響だけでなく、急性影響についても明らかとなっています。近年の受動喫煙対策の進行に伴い、受動喫煙を規制する法的措置を実施した国や地域において、急性心筋梗塞等の入院や発生の推移を検討した報告がなされています。そうした報告の中では、多いところでは4割程度、だいたい
1−2割程度、急性心筋梗塞等が減少した、と報告されています。
  また、そうした個別の報告などをまとめて、IARCや米国IOM(医学研究所)等の総合的機関等において、受動喫煙と急性の循環器疾患との関係について検討したところ、血液の凝固作用を促進したり血管内皮細胞への影響を及ぼしたりする以上の詳細や、実際どのくらいの割合が受動喫煙曝露による影響なのか、など詳細についてはまだ検討が必要というものの、明らかに「受動喫煙は急性の循環器疾患との関連がある」との判断がなされています。

  以上のとおり、喫煙者が自ら吸う喫煙でなく意図せず吸わされてしまう受動喫煙にしても、循環器への急性の影響を含め健康影響については「趣味・嗜好」や「マナー」などと看過できるものではないといえるでしょう。

※受動喫煙の健康影響に関する米国公衆衛生総監報告のサマリーや癌、心血管系(循環器)、呼吸器への影響についての日本語訳が国立がんセンターのサイトにアップされています。
http://www.ncc.go.jp/jp/who/sg/index.html
※2010年3月アクセス