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そんな暗い所に、人かげが見えました。

僕は、おびえながらも、そのかげに一歩二歩と近づいて行きました。

「君はー?」と僕が聞くと、

「あぁ、おれかぁー。おれは、たばこを吸って、自分を大事にしないやつらの体の中に出てくる、ガン細胞ってものさー。」

僕は、たばことガンと聞いてドキンとしました。

「まったく、人間ってもんは、自分を大切にできねえのかょー。」

「・・・・・・。」

「あのよぅー。お前はたばこなんて吸うなよ、ただ早死にの元なんだからよぅー。それにたばこってもんはよぅー、ニコチンのせいで、一度吸い始めたら、いざ止めようと思ってもなかなか止められねえんだぜぇー。

たばこを吸う人の7〜8割の人が、止めたい、と思っているのに、止められないなんて、本当に悲劇だぜぇー。

最初っから吸わなきゃー、どうーってことないのによぅー。

じゃぁまあ、がんばれよー。」と言って去って行きました。

あわてて僕は、「あっ、あのー、ありがとうございました。」と言ってまた進みました。そしたらふっと淋しくなって、涙が出そうになりました。

人間は、なぜ害をもたらすたばこを吸うんだ、何にも役に立ちはしないじゃないか。