親と子の生活行動と健康に関する調査事業
(平成18年度 (独)福祉医療機構子育て支援基金助成金事業)
1. 事業目的
本調査は、親の子育て観、親と子の生活行動、親と子の健康についての実態とその関係を検討し、今後の家庭における健康づくりや子育て支援のあり方等を考える基礎資料を得ることを目的として調査を実施した。
2. 事業概要
- 事業の実施体制等
本調査は、小児保健学、社会教育学、調査・統計学、地域看護学、健康教育学の研究者で構成した調査企画委員会を設置し、調査内容の企画、実施方法、分析、報告書作成などの方針を審議した。 この委員会で、調査対象者の検討、調査票の検討、聞き取り調査の検討、分析方法の検討、調査結果の解析、報告書の内容検討などを審議決定し、調査研究小委員会が実際の作業にあたった。調査研究小委員は、栄養学、地域保健学、地域看護学、地域組織活動リーダー等の研究者と地域健康づくりの実務者で構成した。 - 事業の内容
- (1) 調査企画委員会・調査研究小委員会合同委員会の開催
回数2回 委員5名 - (2) 調査研究小委員会の開催
回数3回 委員9名
- (1) 調査企画委員会・調査研究小委員会合同委員会の開催
- 調査の実施
- (1) 調査内容(インターネット調査・聞き取り調査)
【スクリーニング調査】(インターネット調査のみ)
- 1) 本調査の対象者としての条件を満たすか否かのスクリーニング
- 2) 調査への参加意向(応諾)を確認
【本調査】(インターネット調査)
- 1) 日記形式を用いた親と子の朝ごはん(朝食)摂取状況
- 2) 運動習慣について
- 3) 健康状態について
- 4) 食生活について
- 5) 地域ネットワークと情報について
- 6) 子育てに関する意見について
(聞き取り調査)
- 1) 健康のためにしていること
- 2) 食生活に対する考え
- 3) 生活習慣に対する考え
- 4) 子育てで大事にしていること
- (2) 調査時期
平成19年1月 - (3) 調査対象
第一子が小・中学生の母親
インターネット調査 1,005名
(有効回収数 833名 有効回収率 82.9%)
聞き取り調査 20名
- (1) 調査内容(インターネット調査・聞き取り調査)
- 集計方法
単純集計・クロス集計 - 報告書の制作・配布
調査結果を報告書としてまとめ、1,500部を作成し、都道府県や関係団体に配布した。
3. 事業の成果(インターネット調査)
【朝食の摂取状況について】
- 朝食の所要時間は、第一子で約8割が10~20分であった。
- 主食は「パン」が「ごはん」上回る結果であった。
- 「パン」は「ごはん」に比べ、品数が少ない傾向が見られた。
【運動習慣について】
- 「屋外」で遊ぶのは「小学生男」で、「小学生女」は「屋内」で遊ぶ傾向があった。
- 「中学生」になると男子も女子も半数以上が「放課後も遊ぶ時間が無い」傾向であった。
【食生活について】
- 「毎日」家族揃って朝食を食べる(15.5%)より、「ほとんどない」(24.1%)が高い。
- 家族揃って朝食を食べる頻度が一番多いのは、「週に1~2回」で約4割であった。
- 「父親」で朝食に「外食を利用することがある」のは約2割
- 外食利用では「共働き」と「非共働き」とほぼ同比率であった。
【地域ネットワークについて】
- 友人の数は「1~10人」が多かった。
- 身近な頼れる人・相談できる人は「2~5人」が多かった。
- 母親からみた父親(夫)の友人数は半数以下であった。
(聞き取り調査)
健康のためにしていることでは、「子ども」の健康のためにしていることが最も多かった。今後、親が「子どもの健康」について学習できる機会を作ることは必須のことである。「夫」の健康については「妻」が行なうばかりではなく、「夫」自らも健康のために行なっていることがあり中高年からの健康づくりが浸透している様子が伺える。企業や職場における健康づくりの必要性が再確認できた。生活習慣をつける必要性は全員の母親が必要と思っており、その理由は「心身の健康」と「社会性を育む」ために必要と考えていた。「食生活」についてもほぼ同じような考えをしており、毎日繰り返し行なわれる「食事」「起床・就寝」などの生活習慣は「社会性」を育むためにも必要と考えられていた。「当たり前のこと」と考えている母親は、「習慣」が大人になっても続くこと、「習慣」をなおすことの大変さを体得していた。今後、このように生活習慣の大切さを熟知し体得する保護者が増えることが必要である。
4. 報告書
- 平成18年度親と子の生活行動と健康に関する調査事業 表紙~第5部 (1.3MB)
- 平成18年度親と子の生活行動と健康に関する調査事業 第6部~奥付 (792KB)