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平成13年3月28日

平成11年度 喫煙と健康問題に関する実態調査の概況

−公共の場所の分煙実態調査−

 

目        次
I.調査の概要
II.医療機関の結果概要
 1.禁煙・分煙の実施状況

 2.禁煙・分煙の遵守状況

 3.喫煙場所等の明示状況

 4.禁煙・分煙の実施理由

 5.禁煙・分煙推進のメリット・デメリット

 6.禁煙・分煙対策未実施の理由

 7.今後の方針

 8.対策推進に必要な事項

 9.喫煙問題に関する取組の重視度等

 10.たばこ販売の状況
III.公共交通機関の結果概要

 1.禁煙・分煙の実施状況

 2.禁煙・分煙の遵守状況

 3.喫煙場所等の明示状況

 4.禁煙・分煙の実施理由

 5.禁煙・分煙推進のメリット・デメリット

 6.禁煙・分煙対策未実施の理由

 7.今後の方針

 8.対策推進に必要な事項

 9.喫煙問題に関する取組の重視度等

 10.たばこ販売の状況
問合せ先:
 厚生労働省 健康局総務課生活習慣病対策室
 電話:03-5253-1111 後(内線2397)、八谷(内線2396)

I.調査の概要

1.調査の目的

 病院や駅などの公共の場所における禁煙・分煙対策の実施状況を把握し、今後の分煙対策の推進に寄与することを目的とする。

2.調査対象及び客体数

(1)医療機関

医療施設調査から層化無作為抽出により、病院900施設、診療所300施設を抽出。
抽出方法と回収状況は以下のとおり。

属 性
許可病床数
発送数
回収数
割 合
回収率

病 院

 

 

300床以上

300
180
26.2%
60.0%

100〜299床

300
151
21.9%
50.3%

20〜99床

300
170
24.7%
56.7%
診療所

(19床以下)

300
187
27.2%
62.3%
合 計

 

1,200
688
100.0%
57.3%

開設者の種類
回 収 数
割 合
35
5.1%
公 的 医 療 機 関
104
15.1%
社 会 保 険 関 係 団 体
8
1.2%
医 療 法 人
312
45.3%
個  人
178
25.9%
そ の 他
50
7.3%
不  詳
1
0.1%
全  体
688
100.0%

(2)公共交通機関

有意抽出により、鉄道業130社、乗合旅客自動車運送業260社、旅客船事業202社、航空運送業28社を対象とした。回収状況は以下のとおり。

属  性
発 送 数
回 収 数
回 収 率
鉄道業(鉄道)
130
84
64.6%
乗合旅客自動車運送業(路線バス)
260
142
54.6%
旅客船事業(客船)
202
102
50.5%
航空運送業(航空機)
28
18
64.3%
その他、不明
-
10
-
合  計
620
356
57.4%

3.調査期間

平成12年3月

4.調査方法

 郵送配布、郵送回収により実施

5.分煙の定義

 平成8年3月に取りまとめた「公共の場所における分煙のあり方検討会報告書」では、禁煙・分煙環境を次のように定義している。

分 類
説   明
完 全 禁 煙
完全禁煙
分 煙
A
喫煙場所を完全に分割された空間とする。
B
喫煙場所を設置し、分煙機器*1により環境たばこ煙*2が完全に流れ出ないようにする。
C
喫煙場所を設定し、分煙機器を用いて環境たばこ煙を軽減する。
D
喫煙場所を設置するが、分煙機器は使用しない。
自由に吸える
自由に吸える*3
*1)分煙機器:

環境たばこ煙を屋外に排出する機器、空気清浄機、喫煙場所を他の区域と分割する機器等やその複合体

*2)環境たばこ煙: 空気中に拡散したたばこの煙。喫煙者が吸い込むけむり(主流煙)とたばこの先から立ち上る煙(副流煙)からなる
*3)自由に吸える:

本調査では「禁煙タイム」の設定のみも含まれることとした

6.その他の留意事項

医療機関の概要で、病床規模別に表記しているとき、分類「20〜99床」、「100〜299床」、「300床以上」は病院を指す。
公共交通機関の概要中、「車両等」には電車、バス、客船、航空機が含まれる。ただし、いわゆる「貸し切り」の形態は除外した。

II.医療機関の結果概要

1.禁煙・分煙の実施状況

 医療機関の禁煙や分煙の実施状況は、「診察室・検査室」では「完全禁煙」を行っている割合が約9割となっているが、「待合室」や「病棟・病室」、「食堂」では、「完全禁煙」の割合が約5割に止まっている。

 病床規模別にみると、「待合室」を完全禁煙とした割合は診療所で高くなっている。

図1-1 医療機関の禁煙・分煙実施状況
1-2 診療室・検査室の禁煙・分煙実施状況
1-3 待合室の禁煙・分煙状況
1-4 病棟・病室の禁煙・分煙実施状況
1-5 食堂の禁煙・分煙状況

2.禁煙・分煙の遵守状況

 何らかの禁煙・分煙を行っている医療機関に、「守られているか」を聞いたところ(有効回答658)、「完全に守られている」と「ほぼ守られている」と回答した割合は全体の9割程度となっている。

 また、診療所では、「完全に守られている」とした割合は約6割と高くなっている。

 図2 禁煙・分煙の遵守状況

3.喫煙場所等の明示状況      

 「禁煙場所」や「喫煙場所」の明示を行っているかについては(有効回答682)、「明示している」が72.0%、「明示していない」が28.0%となっている。

 また、病院の規模が大きくなるほど明示している割合が高くなっている。

 図3 喫煙場所等の明示状況

4.禁煙・分煙の実施理由

 禁煙・分煙を行っている理由(有効回606)については、「他の患者への迷惑」、「医療機関として当然のこと」がそれぞれ約8割で、次いで「火災の予防」が約5割となっている。  図4 禁煙・分煙実施の理由(複数回答)

5.禁煙・分煙推進のメリット・デメリット

 禁煙・分煙推進のメリット・デメリット(有効回答589)については、メリットでは、「患者から喜ばれた」が約5割で最も高く、次いで「職員の意識が向上した」と「施設のイメージの向上につながった」が約3割となっている。デメリットでは、「患者から苦情があった」が約2割となっている。

 

 図5 禁煙・分煙推進のメリット・デメリット(複数回答)

6.禁煙・分煙対策未実施の理由

  禁煙・分煙を実施していない医療機関にその理由を聞いたところ(有効回答76)、「特になし」が28.9%で最も多く、次いで「患者からの要請がない」、「建物の構造上無理がある」、「職員の間で意見の相違がある」が25%、「職員からの要請がない」が23.7%となっている。

   図6 禁煙・分煙対策未実施の理由(複数回答)

7.今後の方針

 禁煙・分煙を実施していない医療機関に今後の方針を聞いたところ(有効回答297)、「特に予定はない」が32.0%で最も多く、次いで「分煙を実施する予定」が26.6%となっている。  図7 今後の方針(複数回答)

8.対策推進に必要な事項

 禁煙・分煙対策を進める上で必要と考えるものは何かを聞いたところ、「患者の協力」、「職員の協力」が約8割で最も多く、次いで「院長の理解」、「ルールの表示・通知の徹底」等となっている。

図8 対策推進に必要な事項(複数回答)

9.喫煙問題に関する取組の重視度等

 「貴施設は喫煙問題に関する取組を重視しているか(取組の重視)」、「喫煙問題に関する取組は社会的責任であるか(社会的責任)」、「公共の場所が原則禁煙が望ましいか(原則禁煙)」、「医療機関には喫煙問題に関する情報発信拠点としての役割が望まれるか(情報発信)」の4つの認識を質問した。

 公共の場所の原則禁煙については、8割弱が「そう思う」としている一方で、取組の重視、社会的責任、情報発信の3点については、その割合が45割程度にとどまっている。

 また、実際の禁煙・分煙状況(図1-1)との比較では、公共の場所では原則禁煙と思う医療機関が8割弱あるのに、実際の「待合場所」等の「禁煙」の実施率は約5割にとどまっている。

図9-1 喫煙問題に関する取組を重視しているか 図9-2 喫煙問題に関する取組は社会的責任であるか

9-3 公共の場所では原則禁煙が望ましいか

9-4 喫煙問題に関する情報発信拠点としての役割が望まれる

10.たばこ販売の状況      

 たばこ販売の状況については、診療所ではほとんど売っておらず、病院では規模が大きくなるほど売っている割合が高い。300床未満では半数以下であるのに対し、「300床以上」の施設では約8割で売っている。

 販売方法別では、「売店」と「自動販売機」の割合が高い。

 

図10-1 施設内のたばこ販売の状況
10-2 売店での販売状況
10-3 食堂での販売状況
10-4 自動販売機での販売状況
10-5 販売状況(その他)

III.公共交通機関の結果概要 

1.禁煙・分煙の実施状況

 公共交通機関の禁煙や分煙の実施状況は、「車両等」では「完全禁煙」を行っている割合が6割を越えるが、「ホームや乗車口、搭乗口等」、「切符売場・案内窓口等」、「待合場所」では、その割合が1〜2割程度となっている。

 業種別に見ると、「車両等」において「完全禁煙」となっている割合は鉄道業、乗合旅客自動車運送業全業及び航空運送業で8割前後となっている一方で、旅客船事業では約25%にとどまっている。「待合場所」では、「完全禁煙」の割合が鉄道業で約3割であるが、他の業種は5%に満たない。また、「自由に吸える」割合は乗合旅客自動車運送業と旅客船事業で5割を越える一方、航空運送業はその割合が0%となっている。

図1-1 公共交通機関の禁煙・分煙実施状況
1-2 車両等の禁煙・分煙実施状況 1-3 ホーム・乗車口・搭乗口等の禁煙・分煙状況
1-4 切符売場・案内窓口等の禁煙・分煙実施状況  図1-5 待合場所の禁煙・分煙状況

2.禁煙・分煙の遵守状況

 禁煙や分煙を行っている事業者に、「守られているか」を聞いたところ(有効回答260)、「完全に守られている」と「ほぼ守られている」と回答した割合は全体の8割程度となっている。

  図2 禁煙・分煙の遵守状況

3.喫煙場所等の明示状況      

 「禁煙場所」や「喫煙場所」の明示を行っているかについては(有効回答185)、「明示している」が53.5%、「明示していない」が46.5%となっている。

 業種別では、乗合旅客自動車運送業の明示している割合が低くなっている。

 図3 喫煙場所等の明示状況

4.禁煙・分煙の実施理由 

 禁煙・分煙を実施した理由については(有効回答210)、「他の利用者への迷惑」が約7割で最も多く、次いで「利用者からの要望」、「火災の予防」が約4割、「企業として当然のこと」が約25%となっている。

図4 禁煙・分煙実施の理由(複数回答)

5.禁煙・分煙推進のメリット・デメリット

 禁煙・分煙推進のメリット・デメリットについては(有効回答207)、メリットでは、「利用者から喜ばれた」が約6割で最も多く、次いで「職員の意識が向上した」が27.5%となっている。

 デメリットでは、「利用者から苦情があった」が約24.2%となっている。

図5 禁煙・分煙推進のメリット・デメリット(複数回答)

6.禁煙・分煙対策未実施の理由

 禁煙・分煙を実施していない事業者について、その理由を聞いたところ(有効回答116)、「職員からの要請がない」が約3割で最も多く、次いで「特になし」、「職員の間で意見の相違がある」が約25%、「喫煙者の理解が得られない」、「利用者からの要請がない」が約2割となっている。

図6 禁煙・分煙対策未実施の理由(複数回答)

7.今後の方針

 禁煙・分煙を実施していない事業者に今後の方針を聞いたところ(有効回答177)、「特に予定はない」が55.9%で最も多く、次いで「禁煙や分煙の方法を検討する予定」が20.3%となっている。

図7 今後の方針

8.対策推進に必要な事項

  禁煙・分煙対策を進める上で必要と考えるものは何かを聞いたところ、「利用者の協力」、「職員の協力」が約8割で最も多く、次いで「ルールの表示・通知の徹底」が約4割、「経営者の理解」が約3割となっている。

8 対策推進に必要な事項(複数回答)

9.喫煙問題に関する取組の重視度等

 「喫煙問題に関する取組を重視しているか」、「喫煙問題に関する取組は社会的責任であるか」、「公共の場所では原則禁煙が望ましいか」、「喫煙問題に関する取組は利用者サービスの向上に不可欠と考えるか」の4つの認識を質問した。

 全体では、「公共の場所では原則禁煙が望ましいか」と「喫煙問題に関する取組は利用者サービスの向上に不可欠と考えるか」で「そう思う」割合が5割を越えているが、「喫煙問題に関する取組は社会的責任であるか」は36.8%、「喫煙問題に関する取組を重視しているか」では23.2%にとどまっている。

 また、実際の禁煙・分煙状況(図1-1)との比較では、公共の場所では原則禁煙と思う事業者が5〜7割弱あるのに、実際には「車両等」以外の「ホーム・乗車口等」、「切符売場・案内窓口等」及び「待合場所」で「禁煙」の実施率は約1〜2割にとどまっている。

9-1 喫煙問題に関する取組を重視しているか

9-2 喫煙問題に関する取組は社会的責任であるか

9-3 公共の場所では原則禁煙が望ましいか

9-4 喫煙問題に関する取組は利用者サービスの向上に不可欠と考えるか

10.たばこ販売の状況

 たばこ販売の状況については、鉄道業で売っている割合が最も高く、航空運送業で最も低くなっている。

 販売方法別では、「車両等」では旅客船事業が最も売っている割合が高く、「ホーム、乗車口、搭乗口等」では鉄道業でその割合が高い。さらに、「待合場所」ではすべての業種で売っている割合が高く、「旅客船事業」では4割を越えている。

図10-1 施設内のたばこ販売の状況

10-2 車両等での販売状況
10-3 ホーム、乗車口、搭乗口等での販売状況
10-4 切符売場・案内窓口等での販売状況
10-5 待合場所での販売状況
10-6 販売状況(その他)