新型コロナウイルスとたばこ
また、感染防止のために「密閉・密集・密接の3密を避けましょう」と言われていますが、喫煙所はこの3密が発生しやすい場所となっています。狭い喫煙所内に多くの人が集まる上に、マスクを外して喫煙することになるため、濃厚接触しやすい条件もそろっています。実際に喫煙室での感染が疑われる事例も報告されています。このため日本呼吸器学会は、ウイルスの蔓延を防止するため、喫煙室・喫煙コーナーの使用はやめ、閉鎖することを呼びかけています。
さらに、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、在宅勤務やステイホームが推進されたため、自宅で過ごす時間が増えてきています。日常生活や社会環境の変化に伴って、ストレスも増加しています。自宅では、職場などとは異なり、喫煙禁止の規制や周囲の目を気にすることが少ないため、喫煙本数が増えてしまう人も多いと言われています。喫煙者本人の認識は低くても、同居の家族からみるとたばこの量が増えているという指摘がなされることも多くなっています。国立がん研究センターの調査では、喫煙者と同居する人の3割が、受動喫煙の機会が増えたと、回答していました。
新型コロナウイルスの対策としても禁煙の推進が求められています。世界保健機関(WHO)などは禁煙を強く呼びかけています。また、喫煙者は心臓や呼吸器の病気や、がんなどを患いやすくなっているため、喫煙歴があって持病のある人は感染対策を徹底することが重要となっています。
新型コロナウイルスとたばこに関してもっと知りたい方はこちらへ
- 世界保健機関「たばことCOPD-19」
https://www.who.int/news-room/commentaries/detail/smoking-and-covid-19
(2022.5.31 作成)