公益財団法人 健康・体力づくり事業財団

  • サイトマップ

平成10年度 調査研究

健康づくり等調査研究

委託事業名 委託先 委託事業の内容
(1) 地域における在宅介護者と被介護者の心の健康づくりに関する研究 保坂 隆
(東海大学 医学部講師)
医療は在宅ケアや在宅介護の方向に移行しつつあるが、その際の在宅介護者と被介護者の不安、疲労、ストレスなど重大であるが、それらについてはあまり注意が払われなかった。そこで医療の枠でなく、マニュアル化したストレス対処方法を確立し、誰が行っても一定の効果が得られる「構造化されたストレス・マネジメント」の検討を行う。
(2) 脳卒中予防・地域ケア推進における登録・情報システムの評価に関する研究 多田羅 浩三
(大阪大学 医学部教授)
脳卒中は寝たきり発生の最大の原因となっており、各地で脳卒中登録・情報システム事業が取り組まれ始め、医療から保健・福祉への連携を図ろうとする動きがある。脳卒中予防登録・情報システム事業が脳卒中予防・寝たきり防止対策等に及ぼしてきた影響について評価し、保健・医療・福祉の一層の連携に資することについて検討する。
(3) 地域での健康づくりにおける住民参加度の測定に関する研究 岩永 俊博
(国立公衆衛生院 公衆衛生行政室室長)
地域に根づいた効果的な健康づくりを推進するためには、保健計画の策定や健康づくり事業に対して、地域住民の参加が重要であることが指摘されて久しい。地域での健康づくりにおける住民参加の本来的な意味を明らかにし、参加程度を測定するための指標や尺度について開発する。
(4) 地域における交代制勤務者の健康・体力管理に関する研究 水野 哲也
(東京医科歯科大学 教養部助教授)
我が国は超高齢化社会及び生活環境の都市化と自動化に伴う省力化が進んでおり、健康・体力管理上また各種業務遂行上から各職種別の必要体力レベル並びにその管理法の検討が望まれている。また、交代制勤務者の健康づくりにおける生活リズムは不明な点が多い。消防士を対象として地域における交代制勤務者の健康・体力管理に関する具体的な方策を検討する。
(5) 既往状況及び死亡率からみた適正BMIに関する研究 松村 康弘
(国立健康・栄養研究所 疫学調査研究室長)
肥満は高血圧、糖尿病などリスクファクターと広く認められている。
肥満は本来ならば体内の脂肪量(率)によって判定すべきであるが、その測定法の信頼性等の検討がまだ十分ではない。そこで、身長と体重から簡便に求められるBMIが評価法として広く用いられている。BMIと生活習慣を考慮し、既往状況及び死亡率の最も少ない適正BMI値について男女別、年齢階級別に分析、検討を行う。
(6) 心の健康づくり活動の総合的アプローチに関する研究 後藤 雅博
(新潟県精神保健福祉センター 所長)
現代は子どもから大人までが、いろいろなストレスにさらされ、ライフステージを通じた心の健康の保持増進に様々な支障が生じている。特定の市町村に焦点を当て、その地域の小児期から健康づくり支援プログラムの効果を心の健康づくりの観点から評価・調査し、他地域での実用可能性をも検討する。また、職場における心の健康づくり支援体制に関する検討を行い、地域保健と学校保健あるいは産業保健の今後の連携のあり方について調査する。
(7) 地域における微量栄養素の栄養状態評価に関する研究 糸川 嘉則
(京都大学 医学部名誉教授・福井県嘱託)
我が国の微量栄養素所要量調査の対象は現在6種類となっており、これ以外の微量栄養素の過不足が成人病など種々の疾患の原因になることが解明されている。地域住民を対象に栄養調査と体液分析を行い、微量栄養素の栄養状態を適切に評価する方法を確立し、微量栄養素の充足状態を把握し、6種類以外の微量栄養素所要量設定について検討する。また、微量栄養素所要量が設定されている6種類についても分析、検討を行う。

老人保健総合研究

委託事業名 委託先 委託事業の内容
(1) 中高年者の運動処方における至適運動強度決定に関する研究 吉澤 靖之 (東京医科歯科大学 教授) 中高年者が健康で質の高い日常生活を送る上で重要なことは、日々の活動に必要な体力・運動能力を保持することである。中高齢者は、特に下肢の運動を保持することにより健康な生活を楽しむことが可能となると想定され、歩行運動などの継続的な運動が推奨されている。加齢に伴い呼吸・循環器・神経筋機能は低下し、運動能力、安全性の個人差は大きくなる。中高齢者を対象に運動負荷試験を行い、呼吸、心電図を連続的に測定し得られた結果を基に安全で適切な運動量を決定する方法について検討する。
(2) 健康診査を活用した総合健康リスクの評価方法に関する研究 上島 弘嗣
(滋賀医科大学 教授)
健康診査の場や事後の生活指導の場において、健診成績を基に生活習慣の改善を目的とした健康度を簡便に評価することのできる図表の作成が求められている。平成9年度は、年齢、血圧値、血糖値、喫煙量を用いた総死亡、全循環器疾患、脳卒中、心疾患による死亡の危険度をカラー図表を用いて簡便に判定するものを4点作成した。
本年度は作成した図表を実際の健康診査の場や事後の生活指導の場で使用し使い勝手等の調査をし、改善点を明らかにする。