公益財団法人 健康・体力づくり事業財団

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平成11年度 調査研究

健康づくり等調査研究

委託事業名 委託先 委託事業の内容
(1) 骨量減少症例の骨折発生頻度からみた運動・生活指導の有用性の検討 蒲原知 愛子
(佐賀県嬉野町 健康増進係長)
近年、骨粗鬆症は医学的、社会的に大きな課題の一つである。骨粗鬆症の治療を考える時、まずは、骨折予防のための生活習慣の改善、転倒予防のための運動指導が優先されるべきと考える。そこで、地域保健事業での骨量測定において骨量減少が認められた住民を対象に、生活指導・運動指導を行うことで、骨折の予防、骨量の維持への有用性を検討する。
(2) 市町村健康づくりスタッフの資質向上と市町村健康政策の科学性・計画性の確保に関する実践的研究 福永 一郎
(香川医科大学 衛生・公衆衛生学助教授)
市町村は地域健康づくりの第一線の機関であり、健康づくりにおいて重要な役割を担っている。しかしながら、健康づくりを担当するスタッフは不足しており、施策の立案、遂行,評価をはじめ、現場で活動するための人材育成システムは十分ではない。このような背景の中で、市町村の健康づくりに従事するスタッフの育成体制の評価に関する検討を行い、健康づくり活動の具体的な展開のために資するものである。
(3) 地域における健康づくり:沖縄の糖尿病とその予防 高須 信行
(琉球大学 医学部第二内科教授)
沖縄は長寿の県でありながら、糖尿病(NIDDM)・耐糖能異常有病率が最近、高くなっている。その背景因子として考えられる遺伝と環境から発症要因を明らかにし、糖尿病発症を予防する。今回は、環境因子として沖縄県人の食事内容、運動内容を調査し、糖尿病発症機構で果たす役割を明らかにする。
(4) 女性のライフステ-ジ別にみた骨密度と運動習慣・食習慣の関係 石川 和子
(国立健康・栄養研究所 健康増進部流動研究員)
骨密度には人種差があり、生活様式も大きく影響するため、生活習慣と骨密度の関係についてデータの蓄積が必須である。また、実際の骨粗鬆症検診の生活指導では、具体的な指導の根拠となりうるデータが少ない。今回は、初経・妊娠・出産・閉経等、女性の各ライフステージごとに、身体活動量と栄養摂取状況が骨密度に与える影響について、検討する。
(5) 地域ボランティアの行動原理と心的ストレスに関する研究 新井 平伊
(順天堂大学 医学部主任教授)
痴呆老人や知的障害者、精神障害者を対象とした精神保健福祉ボランティア活動は、それらに対する知識の不足から、他に比して敬遠されがちであり、また、心的ストレスも少なくない。この領域で、偏見の壁を乗り越えて活動を展開するには、専門家との協同・連携が重要となってくる。本調査研究では、現在、活動をしている人々を対象に調査を実施し、ボランティアの行動原理と心的ストレス、その特性を把握し、地域の心の健康づくり活動に、反映させる。
(6) 生活習慣のコントロールによる不適応状態への介入―生活習慣とストレスに関する実証的研究― 小杉 正太郎
(早稲田大学 文学部教授)
生活習慣と精神的健康との関係は、生活に起因するストレスを抜きに論ずることはできない。また、生活習慣は、年齢・性別・職業等によって大きく異なる。本研究では、年齢・職業・地域等が異なる集団を対象に、その生活習慣を集団ごとに明らかにし、心理ストレスの観点から生活習慣と精神的健康との関係を考察し、その結果を基に、精神的不健康者(不適応者)への介入方略プログラムを作成する。
(7) 健康増進プログラムへの参画状況と、健診データ及び医療費を含む健康増進指標との関係に関する研究 眞野 喜洋
(東京医科歯科大学 医学部教授)
健康づくりが進められてきている中で、健康に関するプログラムが様々な場で、様々な内容で展開されてきている。本研究では、企業健保が行う健康増進プログラムへの参加状況について調査するとともに、健康増進プログラムと健康指標、医療費等との関連性について分析・検討を行い、より効果的な健康増進プログラムの開発をめざす。

老人保健総合研究

委託事業名 委託先 委託事業の内容
(1) 地域保健・産業保健の連携に資する健康関連情報システムの構築に関する研究 大村 紘一
(新潟県上越保健所 所長)
地域住民の生涯を通じた健康づくりの実現には、個人の努力に加え、各種制度に基づく健康管理体制が円滑に機能し、個人の健康管理を支援できることが重要である。壮年期においてはその健康管理体制は、老人保健法(地域保健)、労働安全衛生法(産業保健)と個別の法体系に基づいており、一元的な健康管理を実現するため、個人の同意に基づき、各分野が保有する個人の健康関連情報を相互に交換できるシステムの構築について検討するものである。
(2) 高齢者の歯牙欠如症例に効果的な刷掃の検討―刷掃方法と刷掃に用いる歯ブラシの形態について― 田中丸 治宣
(静岡県立大学 短期大学部教授)
高齢社会を迎え、何でも食べられ健康で快適な生活を送るには、歯科疾患の予防が大切である。歯科疾患の予防は患者の意識の向上と、効果的な歯口清掃が重要である。今回は、異なる形態の歯ブラシを使用した場合の高齢者の歯牙欠如症例に対する歯口清掃の効果について研究する。