平成13年度 調査研究
健康づくり等調査研究
委託事業名 | 委託先 | 委託事業の内容 | |
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(1) | 喫煙看護学生の心理学的・生理学的特性と喫煙による作業能率の変化に関する研究 | 倉田 トシ子 (山梨県立看護大学 短期大学部教授) |
看護学生の多くは卒業後、医療従事者として健康教育を行う立場に立たされる。近年のたばこの身体弊害から、医療従事者の喫煙に対する一般人の評価は厳しい。また、看護職自らの健康保持のためにも、防煙、禁煙教育は不可欠である。本研究では、喫煙看護学生の心理学的・生理学的特性を明らかにすると共に、喫煙行動の作業能率への影響を検証する。 |
(2) | 高齢者の知的機能と咀嚼機能との関連性に関する研究 | 三浦 宏子 (九州保健福祉大学 保健科学教授) |
老年痴呆のリスク要因として咀嚼能力の低下を挙げている研究が散見されるが、両者の関係は未だ十分に解析されているとはいえない。両者の関連性を明らかにすることは、歯科保健だけでなく高齢者痴呆の予防のうえからも重要であると考えられる。そこで、本研究では、咀嚼機能に関する基礎的評価値と知的機能レベルを調べ、両者の関連性を解析する。 |
(3) | 糖尿病予防のための生活習慣管理・改善支援システムに関する研究 | 山口 昌樹 (富山大学 工学部物質生命システム工学科助教授) |
近年、糖尿病などは生活習慣に起因するものであり、日常の血糖値、食事、運動などの生活習慣を適正に管理・改善する手法を早期に確立し、生活習慣病対策を講じる必要がある。そこで、本研究では、非侵襲血糖計の実用化と携帯端末を利用した個人で管理できる支援システムの構築を目的とする。 |
(4) | 健康づくり指導者のためのライフスキル・プログラムの開発と普及に関する研究 | 皆川 興栄 (新潟大学 教育人間科学部教授) |
健康づくり事業を推進していくうえで、その指導者の資質・能力と指導内容・方法は極めて重要である。本研究では、健康づくりに関する指導者の養成と指導内容・方法、そして、ライフスキル・ワークショップについて実験的研究を進め、最終的に、医師、保健婦、栄養士など地域保健従事者と、養護教諭など学校保健従事者、労働衛生担当者などの各分野の健康づくり指導者を対象とした、ライフスキル・トレーニングプログラムを開発する。 |
(5) | 健康日本21地方計画における身体活動目標を達成するための条件指標と測定尺度の開発に関する研究 | 長ヶ原 誠 (神戸大学 発達科学部助教授) |
健康日本21の地方計画策定のためには、自治体独自の調査による統計データの収集が必要となるが、他の健康行動と比べ身体活動分野では調査統計に関する方法論的な情報支援が少ない。本研究では、このような課題に対応するため、国内外の自治体調査指標や測定尺度などの包括的なレビューにより条件指標リストを作成し、複数市町村調査による統計的分析結果をもとに、身体活動の重要条件指標を検討しながら、今後の計画策定・修正、評価調査・モニタリングに活用されうる実用的な運動条件指標と測定尺度の開発を目指す。 |
(6) | 職域における生活習慣病に対する予測と予防に関する研究 | 杉村 春日 ((財)埼玉県健康づくり事業財団 診療所長) |
地域において生き生きとした老後を迎えるために、職域における自己健康管理の技術習得は極めて重要な位置付けとなっており、職域における大規模調査に基づいた解析から、正しい知識に基づく自己健康管理法を示すことが必要である。本研究では、職域において過去に蓄積されたデータから、生活習慣病を引き起こす職域特有の因子群及びそれぞれの因子間の相互作用を明確にし、職域における生活習慣病の一次予防及び二次予防における指針づくりを目指す。 |
(7) | 成人一般人口におけるストレスと飲酒問題に関する研究 | 清水 新二 (国立精神神経センター精神保健研究所 成人精神保健部長) |
「健康日本21」では、1)多量飲酒者の減少、2)未成年飲酒の根絶、3)節度ある適度な飲酒の知識普及が目標値として明記された。この多量飲酒者のアルコール依存症への進行を予防するため、また、一般飲酒者のアルコール関連問題を予防するため、まず一般人口に関するより詳細な飲酒実態が明らかにされる必要がある。本研究では、ストレス状況や生活実態を含めて、以前よりも特段に詳細な一般成人の飲酒行動の実態を明らかにし、飲酒との関連における健康づくり対策への指針を得ることを目的とする。 |
(8) | 高齢者の心身の健康、脳機能に関わる睡眠改善のための生活指導介入と現場での評価技法の確立に関する研究 | 田中 秀樹 (広島国際大学 人間環境学部臨床心理学科助教授) |
急速に高齢社会を迎える現在、高齢者の約1/3が不眠で悩み、心と体の健康と密接に関係している睡眠の問題への具体的な対処は、QOLを考える上でも急務である。本研究では、高齢者の脳と心、身体の健康に密接にかかわる適正な睡眠の確保に着目し、在宅高齢者を対象に、快適な睡眠や覚醒の確保に有効なライフスタイルの習慣づけを介入的に行い、生活指導、習慣づけが精神健康、脳機能に及ぼす効果について検討する。さらに、効果的で信頼性が高く、現場での実用化に対応可能な介入方法や評価バッテリーを確立する。 |