公益財団法人 健康・体力づくり事業財団

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インターネットを活用した中高齢者向け健康づくり情報提供の実態調査事業
(平成15年度 厚生労働省 老人保健事業推進費等補助金事業)

1. 事業目的

本事業は、進む高齢化社会において健康で豊かな生活をめざし、高齢者の積極的社会参加を促進し健康年齢の増加に資するため、インターネットを利用し、健康づくりに関する住民へのインターネットによる提供情報のあり方を確立すべく実態調査を行うと供に、併せて保健機関が提供している実態調査も行い、地域住民の要望に沿った情報提供の確立を図ることを目的とした。

2. 事業概要

(1) 検討委員会の設置

インターネットを活用した中高齢者向け健康づくり情報提供の実態調査検討委員会 (4名)

(2) 調査内容

対象

住民調査 住民
保健機関調査 保健機関

方法

住民調査 インターネット上での調査・質問用紙による調査
保健機関調査 電話での調査

客対数

住民調査 6,613名
(インターネット 5,000名・質問用紙 1,613名)
保健機関調査 413機関(主に保健センター)

回答数

住民調査 4,152名
(インターネット 3,149名・質問用紙 1,003名)
保健機関調査 413機関

調査課題と項目

住民調査 調査課題1 日常の健康管理意識と潜在的な情報ニーズ
調査課題2 ネットでの情報収集実態とネット情報の未充足点
調査課題3 他メディアの情報収集実態とメディア別媒体評価
調査課題4 閲覧重視点
保健機関調査 健康づくり事業の情報提供にインターネットを活用の有無
保健事業の情報提供にインターネットを活用の有無

3. 事業の成果(調査結果)

【住民調査】

  • 「体力づくり」に対する関心が高い
    健康管理や病気の予防のために取り組んでいること、又は取り組みたいこととして、インターネットでの調査では、多くの人がスポーツや軽い運動による体力づくりを挙げた。また、健康管理で将来不安に感じているものとして、インターネットでの調査では「体力のおとろえ」が第2位となっており、体力づくりに対する関心の高さが伺える。
    この他、「がん」「脳・心疾患系」を始めとする生活習慣病への不安も高い。
  • 気になる都度検索を行うが、欲しい情報がうまく探せない
    インターネットで健康管理や病気の予防に関する情報を閲覧する人の多くは、気になることがある都度、病名などで検索し情報を探している。一方で、実際には「欲しい情報がうまく探せない」「広告か、情報か判断がつきにくい」という不満もあり、インターネットにおける情報の探し方やあり方にネット情報の未充足点が見出された。
  • インターネット情報は、手軽に情報を得やすい反面、「楽しさ」「わかりやすさ」に欠けている
    健康管理や病気の予防に関する情報の多くは、テレビを中心としたメディアから情報が得られている。これらのメディアとインターネットを比較すると、インターネット情報は「いつでも欲しい時に情報を得やすい」「欲しい情報が見つけやすい」というイメージがある反面、「わかりやすい」「楽しい」情報は、テレビ番組の方を重視する結果が得られた。
  • メディアごとに情報収集の重視点が異なる
    情報を閲覧するにあたり、インターネット利用者を中心とするインターネット調査とテレビ等のメディア利用者を中心とする用紙調査で、重視するポイントが分かれた。インターネット調査では、「詳しい情報が得やすい」「欲しい情報が見つけやすい」「いつでも欲しいときに情報を得やすい」などインターネットの特性が重視されたのに対し、用紙調査では「すぐに役立つ情報が得やすい」「わかりやすい情報が得やすい」など、ある程度情報が整理されて理解しやすいことが重視された。

【保健機関調査】

  • インターネットを活用して、健康づくり情報を提供している保健機関の割合は、約1割とまだ低い
    健康づくり情報の提供にインターネットを活用している保健機関は、9%である。
    保健事業の情報の提供にインターネットを活用している保健機関は、76%である。

4. 今後の方策

インターネットの特性である双方向性を活かした情報・サービスの充実を図る

  • 欲しい情報が「いつでも」「分かりやすく」「楽しく」得られること
    1. 健康づくり情報を集めたポータルサイトの提供と情報の充実
    2. 保健機関など公的機関による情報・サービス提供内容の充実
    3. 各情報の格付け・評価の仕組みづくり
    4. 健康づくり情報専用検索サービスの提供
    等々、整理された情報を提供することが考えられる。
  • インターネットの特性を活かした双方向サービスの提供
    1. 健康チェックとそれに伴う生活習慣改善プログラム
    2. 健康診断の結果や症状から健康状態を評価するプログラム
    3. 年齢・性別の血圧、体脂肪率、コレステロールと自分の比較
    4. 健康管理についての成功例、失敗例
    5. 自分の気になる状態、症状に対する対処方法についてのアドバイス
    6. 症状(病気)毎の予防法や対処方法についてのアドバイス
    7. 自分の状態に合った運動プログラムや食生活メニューのアドバイス
    等々の双方向性の仕組みづくり。

5. 報告書