地域における「健康日本21」推進モデル事業(平成16年度 厚生労働省 老人保健事業推進費等補助金事業)
1. 事業目的
高齢者社会の中、地域における様々の健康づくり関係団体が、高齢者の健康づくりを実行に移行できるように、その普及策を検討し、どのように実施していくべきかを課題解決するためにこの事業を実施した。特に介護を必要としない高齢者を増やすために、転倒・骨折予防を中心とした生活機能低下の予防を目的とした教室を検討し、実施した。また、この事業を各地に普及啓発したことにより、健康日本21の実践の活動としてその推進を図った。
2. 事業概要
- 「高齢者を対象とした健康づくり教室プログラム検討委員会」の設置
健康づくり教室の進め方についての全体構想を企画し、プログラム、テキストの制作及び教室事前・事後調査の仕方などを専門的な立場から検討した。
委員:4名 開催回数:2回 - テキストの制作
上記検討委員会を監修として、教室において使用するテキストを制作した。 - 「高齢期に向けた健康づくり教室」(モデル事業)の実施
制作したテキストを使用して、講義と実技に分け、参加者が日常生活の中で運動を取り入れるきっかけづくりになり、教室終了後、在宅時に実践できる内容の教室を実施した。また、教室の評価及び、参加者の運動の継続をねらって、教室当日に問診や体力測定などの事前調査を行い、1ヶ月後に問診、体力測定及び、参加者同士のグループディスカッションを実施した。
開催回数 2回(神奈川県横浜市、茨城県つくば市) - 報告書の作成
以上の成果を報告書として取りまとめ、全国に普及させるため、各地方公共団体等に配布した。
3. 事業の成果
本事業を実施したことにより、次のような効果があった。
- 本事業を実施したことによって、参加者が高齢期に向けて自ら簡易にできる運動手法を得とくし、その運動を日常生活に取り入れることによって、生活機能低下を予防するとともに、その結果「健康日本21」の目的である健康寿命の延伸及び生活の質の向上に質することができた。
- 地域における健康づくり関係財団が、健康づくりにおける専門家と当財団が検討したこの教室を実施したことは、団体自らの設備や人材(健康運動指導士など)を有効に活用し、高齢者の生活機能低下を目的とした健康づくり事業(教室)がその地域で推進された。また、この事業を各地方公共団体や全国の健康づくり関係団体に普及啓発したことで、今後その団体の地域での取組が期待できる。
- 転倒・骨折予防を目的としたテキストを制作したことは、今後、地域などで開催する同様の教室での参加者への手引書として使用ができる。
[健康づくり教室テキスト~「寝たきり」を予防するために~]