公益財団法人 健康・体力づくり事業財団

  • サイトマップ

中高齢者の身体活動に対する潜在的ニーズと選択肢の予測調査
「アクティブエイジング全国調査2008」
(平成20年度(独)福祉医療機構「長寿・子育て・障害者基金」助成事業)

1. 事業目的

 この1~2年で、大量の団塊世代の仕事からの引退が見込まれている。彼らの目の前に広がる長い余暇時間の過ごし方、その中で大きな部分を占めると予想される健康や生きがいと深くかかわるスポーツとのつきあい方、そのニーズを充足させていくための環境整備は、超高齢社会となる我が国のすべての国民にとって、QOLを高く保ち、幸せに暮らしていけるかどうかを示唆する、大きな試金石になるといえる。
 本調査は、我が国における50歳以上人口を対象に、「どの程度アクティブなのか」という実態把握とレベル把握を超え、「どのようにアクティブになりたいのか、どのように歳を重ねていきたいのか」という全国の声を掘り起こし、個人の人生と社会の活性化を目指す振興施策やプロモーションアイディアの活性化に貢献できる基礎データを提示することを目的とする。

2. 事業概要

  1. 母 集 団 全国に居住する満50歳以上の個人
  2. 抽出方法
    株式会社日本リサーチセンターが保有する「平成17年度国勢調査に基づくNOSパネル(郵送パネル)」から、性別・年齢別に均等割付抽出
  3. 抽 出 数 2,200人(調査票発送数)
  4. 調査方法 調査票の郵送による配布・回収方式で、自計法とした。
  5. 調査期間 平成20年10月3日(金)から10月17日(金)を実査期間とした。
  6. 回収状況
    1. 1) 回 収 数  1,450(回 収 率:65.9%)
    2. 2) 有効回答数 1,434(有効回答率:65.2%)
  7. 調査の実施
    1. 1) 加齢意識指標(加齢と年齢に対する意識とニーズ)
    2. 2) 生活時間指標(時間活用に対する現状とニーズ)
    3. 3) 活動種目指標(身体活動の種目実施に関する実態とニーズ)
    4. 4) 活動要因指標(身体活動実施に対する支援ニーズ)
    5. 5) 活動便益指標(身体活動がもたらす便益と効果ニーズ)
    6. 6) 活動成熟指標(身体活動の成熟ニーズ)
  8. 調査票審査について
    回答すべき事項であっても回答のないものは「無回答」という扱いで、当該データには無回答コードを付し、集計を行った。同様に、単数回答である調査事項に複数回答をした場合は「不詳」という扱いで、当該データに不詳コードを付し、集計を行った。
  9. 結果集計の基本データ(総数:1,434)
性    別 男性 658人 女性 776人
年齢階級別 50歳代 548人 60歳代 522人 70歳代 351人
80歳以上 12人 年齢不詳 1人
家族構成別 一人暮らし 113人 配偶者と二人きり 491人 配偶者と子供 390人
配偶者と子供と孫 100人 親と同居 74人 親と子供と同居 93人
その他 142人 不詳 1人 無回答 30人
居住の市郡別 特別区 110人 政令指定都市 288人 中核市・政令市 264人
それ以外の市 517人 町村 145人 不詳 110人
健康状態別 良い 339人 まあ良い 399人 普通 480人
あまり良くない 163人 良くない 22人 不詳 2人
無回答 29人
  • 事業の成果
    1. 調査結果について
      本事業の調査の結果は、以下のとおりである。
      1. 1) 60歳以降に減少する「○○力」は、「体力」「記憶力」
      2. 2) 60歳以降に減少する「○○力」は、男女とも「体力」「記憶力」「気力」「経済力」
      3. 3) 60歳以降に増加する「○○力」は、「知力」「気力」「忍耐力」
      4. 4) 60歳以降に増加する「○○力」は、男性「知力」、女性「気力」
      5. 5) 実年齢より「体型」マイナス6歳、「体力」マイナス4歳、「気力」マイナス8歳
      6. 6) 男性の方が女性より若く自己評価
      7. 7) 「向上力」が増すと考える人は、「体型」「体力」「気力」の感覚年齢が3歳若い
      8. 8) 今後増やしていきたい時間は、「旅行」「健康」「能力向上」
      9. 9) これまでの余暇時間充実度は、60点
      10. 10) 余暇充実度は、仕事充実度を下回る
      11. 11) 仕事・余暇両立派は、5割
      12. 12) 仕事・余暇両立派は、アクティビティ志向が高い
      13. 13) 運動・スポーツの定期的実施率の伸びは、50代から60代前半が顕著
      14. 14) 週1回以上の運動・スポーツ実施者は、男性6割、女性7割
      15. 15) 多様なスポーツ種目に参加
      16. 16) 男女別の参加種目は、アウトドアスポーツ系は異なり、運動系は類似する
      17. 17) 実施希望値は、57種目で実施現状値を上回る
      18. 18) 今後始めてみたい種目は、65種目
      19. 19) 男女別で200万人以上の潜在需要人口が推定される種目は、10種目
      20. 20) 最も行いたい種目は、男性「釣り」、女性「ウォーキング」「ハイキング」
      21. 21) 一緒に行いたい相手は、男女とも「友人・知人」
      22. 22) 行うための促進要因は、男女とも「時間」「お金」「体力」
      23. 23) 促進要因は、世代によって違う
      24. 24) 行えない阻害要因は、「仕事」「疾病」「介護・世話」「家事」
      25. 25) 阻害要因は、世代的特徴がない
      26. 26) 促進要因と阻害要因は、プラスとマイナスの関係が弱い
      27. 27) 現在の運動・スポーツ実施の目的は、「健康増進」「余暇充実」「目標挑戦」に分類
      28. 28) 今後の運動・スポーツ実施の志向は、「健康増進」「余暇充実」「目標挑戦」の3軸
      29. 29) 潜在需要の最も大きいのは、レジャースポーツ志向
      30. 30) 潜在需要規模は、女性が男性を上回る
      31. 31) ヘルススポーツ志向は、男女・全世代で潜在需要が認められる
      32. 32) レジャースポーツ志向は、男女・全世代で潜在需要が認められる
      33. 33) マスターズスポーツ志向は、男女・全世代で潜在需要が認められる
      34. 34) 運動・スポーツが年齢とともに楽しくなると回答した者は、6割
      35. 35) 運動・スポーツにおいて夢や目標があると回答した者は、5割
      36. 36) 加齢にともない、より運動・スポーツの楽しさを感じるようになってくる
      37. 37) 加齢にともなう運動・スポーツの楽しさの経験が、ポジティブな加齢感を助長する
  • 3. 報告書