公益財団法人 健康・体力づくり事業財団

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アクティブエイジングを促進する啓発情報パッケージとモニタリング開発のための実践モデル事業
「運動・スポーツ活動のプロモーションガイドラインに関する政策情報レビューと事業実態調査2010」
(平成22年度(独)福祉医療機構社会福祉振興助成事業)

1. 事業目的

  団塊世代の運動・スポーツに関する潜在的ニーズを発掘し、よりアクティブな高齢期を過ごすためのプロモーションを提案することを目的に行っている「アクティブエイジングを促進する啓発情報パッケージとモニタリング開発のための実践モデル事業」の第3弾です。平成22年度は、国内外の身体活動を推進する自治体担当課や機関を対象とした事業実態調査および各地の先進事例・事業アイディアを集約し、運動・スポーツ推進に必要となる振興概念や推進指標を抽出して、効果を上げられる事業を行うためのガイドラインとなる「トータルチェックリスト」を作成・提案しました。

2. 事業概要

   <運動・スポーツ活動のプロモーションガイドラインに関する政策情報レビュー>  

  • 運動・スポーツ活動のプロモーションガイドラインを中心とした国内外の政策情報をレビューし、運動・スポーツ活動の推進事業を効果的に行うために共通して重要視されている振興概念や推進指標を以下のカテゴリーにより抽出した。
    1. 計画・評価指標:事業立案に向けた計画策定の全体図(運動・スポーツ振興計画策定の全体構成)
    2. 便益指標:事業が目指す個人的・社会的ゴール(運動・スポーツ活動による効果と意義)
    3. 行動指標:便益を生み出すための人々の行動(運動・スポーツ活動の主体者と内容)
    4. 条件指標:行動を生起させるための条件(運動・スポーツ活動を成立させる条件)
    5. 事業指標:条件を整えるための実践戦略(運動・スポーツ活動の条件改善に向けた具体的取組)
    6. 推進指標:事業効果を最大限に生み出すための進め方(運動・スポーツ事業の重要な作業過程)

  • レビューの対象となる政策情報は、調査準備段階において運動・スポーツ推進機関や健康増進機関への事前コンタクトにより収集し、国際機関・組織レベル(9)、フィンランド(6)、ノルウェー(1)、デンマーク(2)、アイルランド(1)、イギリス(9)、オランダ(1)、ベルギー(1)、フランス(2)、ドイツ(1)、オーストリア(1)、スイス(1)、イタリア(1)、ラトビア(1)、アメリカ(24)、カナダ(8)、オーストラリア(6)、ニュージーランド(2)からなる77のプロモーションガイドラインを分析情報源とした。同時に、他の政策情報となる国、自治体、機関レベルの基本プランやアクションプラン(計画情報)、運動・スポーツ人口・資源調査報告書(実態情報)、事業実践と事業評価(評価情報)に関する三つの政策情報についても広範囲に収集し、上記のプロモーションガイドラインだけではカバーできない具体的な指標については、これらの政策情報による補足分析を行った。
  • <運動・スポーツ活動のプロモーション事業に関する実態調査と政策情報収集>

  • ガイドライン情報のレビューで得られた各事業類型について、具体的な事業内容と先進的な取組みやアイディアを収集するため、事業情報の収集を兼ねた質問紙調査を実施した。抽出した事業別の実施状況と、その中で特に成果が現われた事業内容の情報を質問紙により収集し、事業内容の情報については、その具体的な内容が掲載されている資料送付を依頼し回答された情報の内容分析を行った。
  • ●国内調査

    1. 調査名称 運動・スポーツ活動のプロモーション事業に関する全国自治体調査
    2. 調査対象 1,797の都道府県・市区町村の健康増進事業担当部署(以下「健康増進担当」)とスポーツ振興事業担当部署(以下「スポーツ振興担当」)の計3,594部署
    3. 調査方法 調査票の郵送による配付・回収方式で、自計法とした。なお、回答に該当する事業情報についても、提供(送付)を依頼した。
    4. 調査期間 平成22年9月6日~10月12日で、過去5年間の実施事業を対象
    5. 調査項目 
      • カテゴリー別(主体者支援、ハードウエア関連、ソフトウエア関連、ヒューマンウエア関連)実施事業
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      • 世代別実施事業種目
      • 運動・スポーツ振興計画の有無・名称・実施期間・目標指標については調査票参照(報告書に掲載)
    6. 回収状況 
      • 調査票回収数:1,218 (健康増進担当=476、スポーツ振興担当=742)
      • 調査票回収率:33.9%
      • 事業情報回収数:179(健康増進担当=67、スポーツ振興担当=112)
      • 事業情報回収率:14.7%
  • ●国外調査

    1. 調査名称 International Survey on Promotion of Exercise and Sport Activities
    2. 調査対象 30ヶ国の健康増進・スポーツ振興の自治体機関(409)、46ヶ国の身体活動推進やスポーツ振興に関わる機関・組織(263)を加えた計672ヶ所
    3. 調査方法 8ヶ国語(英語、フランス語、スペイン語、ドイツ語、中国語、韓国語、オランダ語、ポルトガル語)に翻訳した調査票(当財団紹介の英訳パンフレット同封)の郵送による配付・回収方式で、自計法とした。翻訳しなかった言語の国には、英語の調査票を配布した。なお、回答に該当する事業資料についても、提供(送付)を依頼した。
    4. 調査期間 平成22年9月29日~平成23年1月28日
    5. 調査項目 (国内調査と同じ)
    6. 回収状況 
      • 調査票回収数:92(メールによる添付ファイル送付を含む)
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      • 調査票回収率: 13.7%
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      • 事業情報回収数:193(メール添付資料の送付やURL情報の連絡を含む)
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      • 事業情報回収率:28.7%

    3. 事業の成果

  • レビューおよび国内外の質問紙調査より、プロモーション全体を構成する計画準備、計画策定、計画実践、計画評価、計画改善の各ステージに対応した形で、頻出度の高い推進キーワードを33個に絞り込んだ。キーワードは、身体活動プロモーションの分野で、効果的事業を推進していく上で非常に重要な作業過程とチェックポイントを示すものであり、これまでの事業計画策定や現在の策定経緯を確認するための一つの評価ツールとして、これらキーワードからトータルチェックリストを作成した。

  • 4. 報告書