公益財団法人 健康・体力づくり事業財団

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貯筋運動プロジェクト Ⅳ
~総合型地域スポーツクラブにおける高齢者のスポーツ活動の継続・中止要因の研究~
(平成25年度(独)日本スポーツ振興センタースポーツ振興くじ助成事業)

プロジェクトの目的

 健康で活発な生活を遂行するためには、自らの力で活動できる力を保持することが大きく影響する。それには、居住する地域で、仲間と楽しみながら、安価に、スポーツやエクササイズを継続できる環境を整備することが必要である。
 そこで、本研究では、道具を使わずに自体重を利用して効果を上げられる筋力トレーニング「貯筋運動」、高齢者でも安全に楽しく指導できる健康運動指導士、総合型地域スポーツクラブと組み合わせ、週1回程度の集合型運動教室"貯筋運動ステーション"を設置して、主にスポーツや運動を行っていない高齢者のスポーツ・運動開始を促し、健康・体力つくり、仲間・生きがいづくりに貢献するとともに、クラブの地域における存在意義を高め、指導者の活用を図るしくみを提案することを目的とする。

1. 調査目的

  1. 貯筋運動ステーション実施クラブの継続調査

    貯筋運動ステーションのモデル事業終了後の実態を明らかにし、モデル事業の成果を検討するとともに、継続しやすい条件を明らかにする。
  2. 貯筋運動ステーション参加者の日頃の運動や身体活動に関する調査

    貯筋運動ステーションに参加した高齢者の、ステーション参加後の貯筋運動継続状況、クラブ加入状況、運動実施頻度を調査し、貯筋運動の効果と、貯筋運動を継続している者の特徴を明らかにする。

2. 研究概要

  1. 貯筋運動ステーション実施クラブの継続調査
  2. 対象 平成22~24年度に実施した31クラブ
    方法 調査票を用いた郵送法
    調査期間 平成25年11月8日~18日
    回収数(率) 31クラブ(100%)
    調査項目 ・クラブの運営体制
    ・モデル事業後の貯筋運動ステーション実施状況
    ・クラブが貯筋運動ステーションを継続しなかった理由
    ・クラブにとっての貯筋運動ステーションのメリット・デメリット
    ・クラブにおける健康・体力づくり事業の位置づけ
    ・モデル事業時の参加者の継続状況
                     
  3. 貯筋運動ステーション参加者の日頃の運動や身体活動に関する調査
  4. 対象 平成22~24年度に貯筋運動ステーションに参加した1088名
    方法 調査票を用いた郵送法
    調査期間 平成25年11月13日~30日
    回収数(率)

    転居・死亡などで配布できなかった25名をのぞいた1063部を配布。
    回収数715名(回収率67.3%)/有効回答数705名(有効回答率66.3%)

    調査項目 ・属性(性、年齢、家族との同居状況、既往歴、主観的体力、健康度(SF8)、日ごろの身体活動レベル)
    ・貯筋運動の実施状況
    ・現在、貯筋運動教室に参加していない理由
    ・現在、貯筋運動に対するイメージ
    ・(モデル事業時の)貯筋運動教室に参加した理由
    ・(モデル事業時の)貯筋運動教室に対する評価
    ・(モデル事業時の)貯筋運動教室で感じた効果
    ・現在のクラブの加入状況と、運動の実施頻度
    ・貯筋運動教室参加前のクラブの加入状況と、運動の実施頻度

3. 結果概要

  1. 貯筋運動ステーション実施クラブの継続調査

  2. 1. クラブの7割は、モデル事業終了後、自主事業として貯筋運動教室を実施した。
     実施しなかったクラブにその理由を聞いたところ、75%のクラブが指導者の不在を挙げた。

    2. クラブの9割が、ステーションを実施したことは、メリットの方がデメリットより大きいと感じていた。
     理由として、「中高齢者の安定した会員確保」「地域包括支援センターとの連携」などが挙げられた。
     クラブの6割が、クラブにとって健康・体力づくり事業は今後「やや大きくなる」と予想している。

    それ以外の結果については、 貯筋運動プロジェクトIV【概要版】(1MB) PDFをご参照ください。

  3. 貯筋運動ステーション参加者の日頃の運動や身体活動に関する調査

  4. 1. 参加者の65%が、貯筋運動を継続している。

    2. 現在もクラブの教室に参加しながら貯筋運動を継続している者は全体の3割であった。
    教室に参加していない理由のうちもっとも多かったのは、「教室が継続されなかったから」で、次に「クラブのほかの活動を始めたから」「参加費が有料・高くなったから」が続いた。

    3. 貯筋運動教室の評価について5件法で聞いたところ、貯筋運動をずっと継続している者と現在行っていない者とでは、教室の楽しさや指導者の評価については、統計的に有意な差が見られたが、会場へ通う負担感や参加費に対する負担感については差は見られなかった。


    4. 貯筋運動教室に参加していたときに感じた効果の強さを5件法で聞いたところ、貯筋運動をずっと継続している者は、現在行っていない者と比べて効果を強く感じていたことがうかがえた。


    それ以外の結果については、 貯筋運動プロジェクトIV【概要版】(1MB) PDFをご参照ください。
     

4. 報告書