ステップ1 禁煙のことはまだ考えていない方へ
禁煙のステージを知りましょう
禁煙にはステージがあります。
「無関心期」「関心期」「準備期」「実行期」「維持期」の5つがあり、この間を行ったり来たりしながら行動を変化させていきます。
無関心期→関心期→準備期→実行期→維持期という一方向だけでなく、1つ2つ戻って、また進むということもあります。
まず、あなたが今、どの段階にいるのかを考えてみましょう。
禁煙のことをまだ考えていない方
禁煙のことをまだ考えていない方は、そもそもたばこのメリットやデメリットについて考える機会があまりない方だと思います。周りの人から禁煙をすすめられたり、たばこの健康影響に関する情報に触れたり、あるいはたばこを吸っている自分の行動に疑問を感じるたびに、禁煙できたらよいと思っている方も多いでしょう。しかしながら、禁煙を成功させる自信がない、あるいは禁煙を実行する自分の姿をなかなか想像できないために、次のステージへ踏み込めない人も多くいるでしょう。
禁煙の動機を高めるためにも、禁煙の方法や、禁煙しているときの生活上の注意点などの情報を集め、アタマの中で準備体操をしてみるなど、禁煙にむけての一歩を踏み出してみませんか。この「最新タバコ情報」の禁煙プログラム・サイトを見て頂くだけでも、次のステージへの一助となるはずです。
喫煙者自身の受ける健康障害について知りましょう。
タバコはさまざまな病気と深い関係があります。喫煙者自身の受ける健康被害と向き合い、禁煙にむけての一歩を踏み出しましょう。
がん
タバコの煙に含まれるタールには、10種類以上の発がん性物質が含まれています。肺がんをはじめ、口腔がん、咽頭がん、喉頭がん、食道がん、胃がん、膀胱がん、女性では子宮頸がんなどにかかる危険性を高めます。
喫煙とがん/発がん性物質COPD(慢性閉塞性肺疾患)
たばこの煙は、主に活性酸素やフリーラジカルなどを過剰に産生するため、気道や肺に酸化ストレスの増大や炎症などを引き起こします。その結果、さまざまな呼吸器症状、例えば喘息や慢性閉塞性肺疾患(COPD)などのリスクを高めます。
喫煙と呼吸器疾患虚血性心疾患(狭心症・心筋梗塞)
タバコの煙に含まれるニコチンと一酸化炭素は心臓の冠状動脈の硬化を促進させ、虚血性心疾患にかかりやすくなります。
喫煙と循環器疾患/ニコチン/一酸化炭素胃・十二指腸潰瘍
タバコの煙に含まれるニコチンは、胃液の分泌を促進させる一方、胃や十二指腸の粘膜に栄養を供給する血管を収縮させ、粘膜の抵抗性を弱めます。その結果、胃・十二指腸潰瘍にかかりやすくなります。
ニコチン
受動喫煙の害について知りましょう。
タバコの煙は、喫煙により直接吸い込まれる主流煙と、火のついた部分から立ちのぼる副流煙とに分けられます。 そのうち有害物質は、副流煙の方に2~4倍以上多く含まれているのです。 つまり、喫煙者の周囲にいる人は、空気で多少薄まりはしますが、喫煙者と一緒にいるだけでタバコを吸っているのと同じことになってしまうわけです。 これを「受動喫煙」といい、非喫煙者にもさまざまな健康障害がひき起こされることが、近年の研究から明らかになっています。
受動喫煙によってリスクが高まる病気には肺がん、脳卒中、虚血性心疾患があります。年間15,000人が、受動喫煙を受けなければこれらの疾患で死亡せずに済んだと推計されています。(出典:受動喫煙 厚生労働科学研究費補助金「たばこ対策の健康影響および経済影響の包括的評価に関する研究」平成27年度)
家庭では…
夫がタバコを吸っている場合、妻が吸わなくても、妻が肺がんで亡くなる危険が高くなることが、世界10ヵ所以上の研究結果から明らかになっています。また、親がタバコを吸う家庭では、子供が肺炎や気管支炎などにかかりやすいことがわかっています。
職場では…
タバコの煙で汚染された職場に長年いると、自分が吸わなくても、呼吸機能が低下することが報告されています。