公益財団法人 健康・体力づくり事業財団

  • サイトマップ

ストレス

快適な睡眠をとる方法

睡眠についてのこだわりは禁物
 夜間の睡眠と日中の覚醒とは密接な関係があり、快適な睡眠をとるためには、日中の生活に注意することが大切です。
良い睡眠  体質によって、年代によって、日中の活動量によってそれぞれ必要な睡眠時間が違います。もちろん、2時間しか眠らないとか、1日の半分以上眠っているなどという極端な場合は何らかの睡眠障害が疑われます。
 睡眠時間が6〜10時間位の間にあり、しかも日中に強い眠気が起こらないようであれば、心配いりません。
先頃のわが国の全国調査では、一般成人の平均睡眠時間は6.9時間となっています。
  たとえば現在7時間の睡眠で快適に、健康に暮らしている人が睡眠時間を8時間にしようと努力しても、より良い睡眠になるわけでもなく、健康状態がさらに良くなるわけでもありません。
 床に入っている時間の80%が眠れていて、日中もトラブルなく生活が送れていれば、床に入っている時間の80%があなたの最低限必要な睡眠時間です。残りの起きている20%の時間を少なくしたい時には、すこし夜更かしをして、あるいは早起きの習慣をつけていきながら、床に入っている時間を減らすことです。この方法は、行動療法的睡眠障害治療として、最近、欧米で研究されています。
日中のストレス因子について考えてみましょう
 日中にストレス因子があると、脳の情報系の興奮がたかまり、頭がさえた状態になり、覚醒から睡眠への移行がうまくいきません。
 これによって入眠がさまたげられている場合には、 床についてから無理に眠ろうと思っても無駄です。 猛烈仕事人
  床を離れ、なにか気晴らしになる本を読んだり、テレビを見たりすることも大切です。眠りにくい夜が続くと、眠る自信がだんだんなくなってしまうものですが、週末を使って意識的に夜更かしをしてみることも、効果があるかもしれません。夜更かしをして、本当に眠たくなったら床に入り、スーツと眠る自信を取り戻すことです。
 ストレス因子が、睡眠の質に対して直接に影響を及ぼす場合もあります。大きなストレスの原因があれば、嫌な夢をみてうなされる夜を長く続けることがあります。
 極端な例ですが、戦闘を経験した後に帰還した兵士やホロコーストを経験した人に、悪夢の訴えが多くみられます。災害や事故など大きな心理的外傷体験を受けた人は、悪夢に悩まされることが多いと報告されています。
  こうした場合には、カウンセリングを受けたり、軽い精神安定剤を使ったりして、不快な体験から心理的に距離をとれるような対応が必要です。
日中の運動量について考えて見ましょう
 定年退職したとか、職場が近くに変わった、早起きして弁当をつくらないですむようになった、など生活に変化があった場合は注意してください。
適度な運動、速足  こうした場合、ストレス因子が減ったので、良く眠れるようになる場合もありますし、眠りにつくのに時間がかかるようになったり、早く目覚めてしまったりすることもあります。
  これは、日中の活動量が減ったため、かえって、からだが必要とする睡眠時間が少なくなったと考えられます。こうした場合には、日中の適度な運動が有効です。
入浴は眠りにいいか
 疲れをとるためといって、寝る前に熱い風呂に入る人がいますが、 時によって、こうした習慣のある人が寝つきの悪さを訴えることがあります。 お風呂でくつろぐ
 人間のからだには、脳の奥にある体内時計という仕組みがあり、からだの機能を24時間に合うように調節しています。
 仕事から帰って、夜寝る前に疲れているのは、からだがこれから眠りに入る準備をしているからでもあるのです。この時、からだの深い部分の体温がだんだん下がり、眠りの準備が始まっています。無理に熱い風呂で長湯をすれば、眠りの準備を妨げてしまうことがありえます。
熱い風呂が好きな人は、床につく1〜2時間前までに入浴するのが良いでしょう。もし、寝る直前に入浴するのなら、ぬるめの風呂にした方が良いでしょう。
夜食や寝酒に注意しましょう
ミルクを飲んでいる 食事や飲酒についても、いくつかの注意があります。 寝る前の夜食は、なるべく避けることが大切です。
 しかし、何となく空腹で眠りにくい場合もあるでしょう。そうした時には、温かい牛乳が良いかもしれません。牛乳が苦手な人には、ハーブ茶なども良い効果があります。
 夕食をとった後は、カフェイン飲料を避けることを勧めます。
コーヒーや茶類はもとより、健康ドリンクや清涼飲料水にも、かなりのカフェイン量が含まれています。
睡眠をとるために、酒を飲むのは避けましょう。
酒は、程よい催眠作用がありますが、これまでの研究から、酒は睡眠剤や精神安定剤などと比べて、癖(くせ)になりやすく、酒の量を徐々に増やさないと眠れなくなります。
寝室の環境をチェックしましょう
 夜中の騒音や窓から入るネオンの光は、安眠を妨げます。
寝室自体を改善できない場合は、耳栓やアイマスクを使うのもよいでしょう。
 寝る前に強い光をあびると、入眠する時間が遅れることがわかっています。寝る直前1〜2時間は、必要以上の明るい照明を避けましょう。   太陽とともに目覚め
 朝に強い光(日光)をあびると、その日の夜は早くから寝れる、という研究報告があります。
 これを利用して、朝の目覚めを良くするために、起きる1時間位前から、部屋を明るくする方法があります。ベッドや枕の位置を工夫して、朝日が顔にあたるようにすれば、かなりの効果を期待できます。
  これと反対に、朝早く目覚めて困る場合は、朝日にあたるのを防ぐ工夫が必要になります。