公益財団法人 健康・体力づくり事業財団

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平成15年度 内閣総理大臣賞受賞組織概要

市の部

滋賀県近江八幡市(総人口 68,590人、世帯数 23,767世帯)
担当課:近江八幡市教育委員会生涯スポーツ課 TEL:0748-33-6303

≪選 評≫ 東京医科大学衛生学公衆衛生学主任教授 下光輝一

近江八幡市は滋賀県中央部琵琶湖南岸に位置する人口68,590人の都市である。かつては城下町として栄え、また近江商人発祥の地として知られているが、現在は京都、大阪などに通勤する人々のベッドタウンとして存在している。

健康体力づくりに係る歴史は、昭和52年に体力づくり国民会議長賞受賞後、昭和56年には国民体育大会が開催され、会場の一つとして近江八幡市立運動公園(体育館、野球場)が完成した。それと同時に、「スポーツを家でもまちでも職場でも」をスローガンに生涯スポーツの振興を図り、運動公園を中心に活発で多彩なスポーツイベントやスポーツ教室を開催している。

生涯スポーツ活動の中心的存在として体育指導委員会があり、その下に学区ごとに組織される学区体育振興会(体育協会)の連合体である学区体育振興会連絡協議会があり、体力づくり推進協議会として活動を行い、市民のニーズに応じた体力づくり、健康づくり、スポーツ振興をボランティアで行っている。スポーツ振興の環境づくりとして、各小中学校にグランド照明施設を整備し、市民に夜間解放を行っている。また、近江八幡市民総合体育大会は、18競技約2000人が参加して行われている。3人で行うトリプルテニスは、近江八幡市が開発したものであり、高齢者にもできるテニスとして教室や競技会が行われている。近年、河川敷にグランドゴルフ場が開設され、無料で市民に開放されている。グランドゴルフ場は近郊になく、滋賀県の他の地域や京阪神からも団体バスで来場しているほどである。また、チャレンジデーには、市長を先頭に15分以上の健康体力づくりのための運動を行うよう全市民に働きかけて参加者を募っているが、2003年5月28日のチャレンジデーでは、市民総人口の60%を超える40,000人が何らかの運動・スポーツを行うまでになった。

一方、健康づくりについては、国の健康づくり運動「健康日本21」の策定がなされるより前に、1999年から健康づくりに熱心な市民を参加させた健康づくり計画策定委員会を立ち上げ、「健康日本21」策定がなされるや、全国に先駆けてその地方計画としていち早く「健康はちまん21」を策定している。また、特筆すべきことは、「健康はちまん21」プラン策定事業の一環として「近江八幡市民の健康に関する調査」を行っており、それに基づいてプランを策定していることである。また「健康はちまん21」の優れている点は、それぞれの項目にベンチマークを設定し、運動習慣者の増加や喫煙者の減少などの個人の目標ばかりでなく、ウォーキングコースの数の増加や職場における分煙の場の数の増加など健康づくり支援環境についての目標も挙げていることである。その意味では、「健康日本21」よりも、より進んだ包括的な健康づくり施策を展開しているといえよう。また、体育指導委員会委員が健康づくり推進協議会にも参加し、協力して健康・体力づくりを推進している。

以上より、近江八幡市における健康・体力づくり運動は、健康づくりと体力づくりが有機的に結合し、かつその活動は市民参加型である。よって、近江八幡市は、平成15年度体力づくり優秀組織表彰内閣総理大臣賞を受賞するのにふさわしい組織と考えられる。

町村の部

兵庫県出石町(総人口 11,451人、世帯数3,590世帯)
担当課:出石町教育委員会生涯学習センター TEL:0796-52-3111

≪選 評≫ 東京大学大学院教授 小林寛道

出石町は人口11,000人の兵庫県山間部の小京都と呼ばれる町並みを有している。近年、少子高齢化が進行し福祉面で力を入れている。とくに福祉ゾーン「ふれあいの里」を建設し、ゾーンには保健福祉センター(老人福祉センターと保健センターの機能を併設、社会福祉協議会事務所、知的障害者共同作業所、シルバー人材センター、出石温泉「乙女の湯」を含む)、特別養護老人ホーム出石荘(入所定員60床、ショート10床、デイサービスセンター、在宅介護支援センター、ケアハウス15戸を含む)、公立出石病院、医療関係施設(薬剤センター、眼科など)、老人保健施設「出石愛の園」(入所定員100床、デイケア定員30名)、健康活動施設(いきいきドーム)、痴呆性高齢者グループホーム(入所定員18名)を集合的に機能させている。また、生きがい交流施設の建設を予定し、先導的なホスピタリティーゾーンの機能充実を目指している。

出石町はスポーツクラブ21を5つの小学校区に組織し、5年間、兵庫県から1ヶ所あたり毎年1300万円とクラブハウス建設補助金800万円および運営費100万円を受けてクラブ育成と運営に努力している。公民館の力をかり、町民のクラブ員としての意識を高めることに力を入れている。1世帯からクラブ会費100円を徴収している。スポーツゾーンには夜間照明が設備され、いつも誰かが運動している様子であった。運動施設として総合スポーツセンターを有し、陸上競技場、野球場、テニスコート、体育館、屋内プール、ゲートボールコート(10)、企業所有グラウンド(3)、学校施設(8)を有効利用している。スポーツ指導者の数も多い。

身体活動部門の行事には町民対象のものと区民対象のものがあり、住民密着型の行事が多く行われている。また、保健栄養部門も生活習慣病予防や健康体操、癌検診、母親学級、食生活に関する指導等が熱心に行われている。

出石町は観光の町として基盤整備を進めており、近代的な施設と日本の歴史文化との調和を図ろうとしている。出石町民憲章には、「健康で生きがいのある豊かな町づくり」をうたい、それにむかった努力が進められていることがわかる。内閣総理大臣賞を受賞するに相応しい町であると判断される。

職域組織の部

管工業健康保険組合(被保険者数 52,251人)
担当部門:総務部保健施設課、企画室企画課、健康管理センター TEL:03-3291-4421

≪選 評≫ 順天堂大学名誉教授 武井正子

当健康保険組合は、全国999事業所を統括する総合型健保組合で、1事業所当たりの被保険者は、52人であり、中小規模の事業所が多い。また、被保険者を対象とした1次予防事業を積極的に展開すると同時に、疾病予防、健康管理事業を健康管理センターを中心に積極的に実施している。(健康管理センターでの受診は、負担ゼロである)さらに10年度から取り組んでいる老人訪問健康指導事業も軌道に乗り、14年度は1,516人について実施している。各事業所担当者等に委嘱している健康保険委員(259名)・健康管理責任者(141名)との連絡をとり、組織的に事業を展開しようとしている。

保険組合事務所には事務局長以下34名、健康管理センターは所長以下47名、顧問医師49名を配置している。平成5年に開設した健康指導室では、運動・栄養・休養といったライフスタイルの指導にも範囲を拡大し、健康目本21を踏まえた健康つくり・疾病予防の基本方針を定め、1次予防から3次予防まで系統的な取り組みを開始している。平成14年度からは『からだに良いこと始めようキャンペーン』を10ヵ年計画で策定。事業としては、ウォーキングキャンペーン、禁煙キャンペーン、風邪予防キャンペーンなど情報誌によって、組合員個人が参加できる事業を展開しているのも、多くの事業所を抱える健保ならではの取り組みとして評価できる。

情報誌健保ニュースは、平成13年度健康保険組合連合会の広報誌コンテストで入選しているが、各事業所の健康づくりへの取り組みを紹介したり、キャンペーン参加者の声を掲載したり、大変興味をそそる編集である。本年度においても同コンテストで健康日本21部門賞を授賞している。13年度からは、タイムリーな情報の提供をめざしてホームページも開設し、野球大会の結果や直営保養所の予約状況など毎日更新するなど組合員への情報サービス提供に努めている。

健康教育の教材も多く出版されており、自由に持ち帰りできるとともに各事業所へも配布されている。

また、保健の科学第44巻6号(2002)にも当健保の栄養士による「個人個人のライフデザインをサポートする栄養相談」が掲載されたり、第57回体力医学会では、当健康管理センターでの運動療法の効果「高コレステロール血症に対する運動・栄養指導の効果」が発表されるなど、広く科学的な情報提供を行なっていることも評価できる。ちなみに日経新聞2002年3月22目の記事、医療更生において、健康相談教室についての紹介記事が掲載され、99年のスタート以来、参加者は4000人を超え、年間100名の禁煙に成功するともに、医療費も約2割削減されたことが紹介されている。健康づくりの効果も科学的に着実に積み上げ、データとして社会的な反響を呼んでいる。

関連施設の視察結果も、お茶の水駅に近いという地理的条件にも恵まれ、組合員の使いやすさを考えた内装など条件が整ってよいサービスが提供できていると推察される。

以上の聞き取り調査、施設の視察、資料等から、管工業健康保険組合は、内閣総理大臣表彰にふさわしい事業を展開していると考えられる。