公益財団法人 健康・体力づくり事業財団

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平成18年度 内閣総理大臣賞受賞組織概要

地域組織の部

栃木県宇都宮市(総人口 453,972人、世帯数 183,327世帯)
担当課:教育委員会スポーツ振興課 TEL:028-632-2736

≪選 評≫ 東京医科大学副学長 下光輝一

宇都宮市は、人口45万人余りを有する栃木県の県庁所在地である。市は、昭和43年度に国民会議議長賞、平成2年度には、総務庁官賞(現文部科学大臣賞)を受賞している。

今日の地方分権化の流れの中で、地方公共団体はその特色ある取り組みが求められているところであるが、宇都宮市においては、全国に先駆けて人づくりを重視し、「宮っこ未来ビジョン」を平成17年9月に発表した。 これは、「対話」と「創造」を人づくりの中核に据え、学校教育、文化・スポーツ、生涯学習、健康づくりなどの推進に積極的に取り組むことを目的としたものであり、市民が生涯にわたってスポーツに親しみ、健康や体力の保持増進に努めることが基本目標の一つとして掲げられている。

さらに宇都宮市は、平成18年4月に「宮っこ未来ビジョン」の個別計画として、「スポーツ振興計画」を策定した。「スポーツ振興計画」は、「いつでも、だれもが、いつまでも、スポーツに親しめる生涯スポーツ社会の実現」を基本理念として、「スポーツ心」を育み、支えていく環境を整えていくことが必要であるとしている。

「スポーツ振興計画」は、その基本政策として、(1)スポーツニーズに対応したスポーツ事業の充実、(2)市民スポーツを支援する人材の育成、(3)スポーツを支える場としてのスポーツ施設の整備・充実、を掲げている。「スポーツ振興計画」は、重点施策として、地域スポーツクラブの育成を掲げているが、各市町村において2010年までに「総合型地域スポーツクラブを少なくともひとつ設立することを到達目標とした文部科学省の「スポーツ振興基本計画」を受けて、宇都宮市では、平成16年4月に宇都宮市のモデルクラブとして総合型地域スポーツクラブ「友遊いずみクラブ」を設立した。

「友遊いずみクラブ」は隣接する泉が丘小学校と泉が丘中学校を拠点として活動し、会員は1,200人を超え、地域住民の健康体力づくりに貢献している。活動内容は、初心者を対象とするスポーツ教室や健康づくり教室などの「教室・講座」、選択種目を専門的に楽しく活動する「サークル」などで、平成17年度には教室・サークルをあわせ延べ5万8千人が参加している。本スポーツクラブの特徴は、小中学生の会員が全体の57.2%と過半数を占めており、児童生徒の活動が活発であることである。本クラブ設立の効果としては、スポーツ人口の拡大、地域のスポーツ機会の異世代間の交流、健康に対する関心の高まり、地域コミュニティーの醸成など地域の活性化に寄与している。また、特筆に値することとして、本クラブでは普段運動をしていない児童の参加が多く、クラブ活動の成果として、肥満児童数が減少傾向に転じたり(平成16年13.2%→平成18年9.6%)、保健室利用者数が減少するなどの効果が出現していることが挙げられる。

宇都宮市は、本スポーツクラブの事業展開をモデルとして、平成27年度までに10個のスポーツクラブの設立を支援する予定となっており、更なる効果が期待される。

また、宇都宮市は、地域スポーツの振興を図るために、昭和52年より学校校庭夜間開放事業を実施しており、平成17年度までに延べ142万人もの地域住民が利用するまでにいたっている。

さらに、宇都宮市は、宇都宮市ファミリーバドミントン大会、宇都宮マラソン大会、体力づくり簡易バレーボール大会、ジャパンカップサイクルロードレース大会などのさまざまなスポーツイベントを実施しており、地域の健康体力づくりに力を入れている。

一方、健康づくりにおいては、国の健康日本21を受けて、平成14年度に「健康うつのみや21」を策定し、重点9分野及び各ライフステージにおいて目標値を設定し、積極的に目標値達成に向けて健康づくりを推進している。中でも身体活動・運動を重視し、歩数の増加、運動習慣者の増加に力を入れている。また、宇都宮市では、地域における人づくりとして健康づくり推進員の養成を積極的に行っている。健康づくり推進員は、栄養・運動・休養のバランスの取れた生活習慣を自ら実践すると共に、健康づくりを身近な地域の中に広めていく活動を行う市民で、9日間、32時間の市の養成コースを受講後に健康づくり推進員となり、地域での健康づくりのリーダーとして活動する役割を担うものである。健康づくり推進員は、地域ごとの健康づくり推進組織で活動し、地区毎に年間の活動計画を立案し、健康講座、ストレッチ体操、ウォーキング教室など地域のイベントに参加したり、また市の保健事業への協力活動を行うなど、積極的に活動を行っており、全市18地区で638名が活躍中である。

以上のように、宇都宮市における健康体力づくりの特徴は、「人づくり」という大きな施策の一環として位置づけられている点であり、「人間力」を活かした健康体力づくりが組織的、系統的にかつ効率的に行われていることが高く評価される。よって、宇都宮市は、平成18年度体力づくり優秀組織表彰内閣総理大臣賞を受賞するのにふさわしい組織と考えられる。