百寿者調査結果報告日本の百寿者のくらし
- はじめに
- 調査対象者について
- 百寿者の同居者と世話をする人について
- 百寿者の健康状態について
- 百寿者の食生活について
- 百寿者の運動・身体活動について
- 百寿者の睡眠について
- 百寿者の喫煙・飲酒について
- 百寿者の日常生活動作について
- 百寿者のQOLについて
百寿者のQOLについて
(1) 手段的日常生活動作
手段的日常生活動作に関する項目として、移動能力や独力での行動について質問した。いずれの項目においても、女性より男性の方が「できる」と答えた者の割合は多かった。
(2) 健康感
健康だと感じている者、毎日気分よく過ごせている者は男女とも6〜8割と多く、健康に関する自己評価はとくに男性で高い傾向にあることがうかがわれた。体調が優れないことが多いかという質問に対して、「いいえ」と回答した者の割合は男女間で差はなかった。
(3) 周囲との関係
友人、家族・親類との付き合い方について質問した。周りの人とうまくいっていると感じている者は、女性(72.8%)より男性(80.0%)のほうが多かった。また、家族・親類とのつきあいについても同様の傾向が認められた。一方、友人とのつきあいに満足している者は、男43.8%、女40.3%と男女ともほぼ同率であった。また、「高齢のためほとんどの友人は亡くなっており、いない」と答えた者もいた。
(4) 生活に関すること
「将来に不安を感じている」、「寂しいと思うことがある」、「無力だと感じることがある」という質問項目を用いて、日常生活における意識や気分について調べた。これらの質問に対して「いいえ」と答えた者は、男女ともほぼ同率であった。将来に「不安を感じない」者は約8割近くいた。また、「寂しいと思うことがない」、「無力と感じることがない」といった、現時点で精神的によい状態にある者は約6割であった。
(5) 社会活動
現在、自分以外の人の用事や世話をしている者は、男女とも1割程度しかいなかった。仕事や地域活動、ボランティア活動をしている者は、男性では3%程度、女性では1%弱と少なかった。また、男性のほうが女性よりも社会活動に関わっていることが明らかになった。
(6) 楽しみ
「楽しみ」に関して、趣味、夢や希望、生きがいについて質問した。
趣味
趣味を持つ者は、男性で46.6%と女性26.9%に比し有意に多かった。
趣味の内容は、男性、女性ともに、テレビ・ビデオ鑑賞や読書・教養、音楽・カラオケが多く見られたが、女性では和裁、編物等の手作業が最も多かった。
夢や希望
これからのことに夢や希望を持っている者は男性では31.3%、女性では14.4%で女性の2倍近くの割合を示した。
生きがい
生きがいを持つ者は、男性43.6%、女性25.8%で男性の方が多かった。
生きがいの内容で最も多かったのは男女とも「家族」であり、次いで「健康で楽しく過ごすこと」であった。その他上位に上がったのはいずれも前向きの気持ちに関する項目であった。