公益財団法人 健康・体力づくり事業財団

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糖尿病を防ごう

糖尿病ってどんな病気?

 糖尿病という病名を聞いて思い浮かぶのはどんなことでしょうか。
 おそらく、「のどが渇いて水をたくさん飲むようになる」とか、「尿が多く出て夜中でもしょっちゅう起きてトイレに行く」、「だんだん痩せてくる」ということではないでしょうか。
 実はこのような症状が出始めるのは、糖尿病がかなり進行してからです。治療を始めるべき初期に自覚症状がないのが糖尿病の特徴なのです。
 インスリンは、食物として取り込んだ“エネルギー源”をうまくエネルギーに変えて利用したり、貯蔵する形に変えたりするときに働く、膵臓から分泌されるホルモンです。
 インスリンの出が悪くなったり、肝臓や筋肉などに対するインスリンの効きが悪くなると、インスリンの作用が不足して体内の多くの臓器のエネルギー源であるブドウ糖が利用されずに血中にたまってきます。このことを「血糖値が上昇する」といいます。
 糖尿病は、こうしたインスリンの働きと体が必要とするインスリン量とのアンバランスによって起こります。たとえば、食べ過ぎは体のインスリン必要量を増やすことにつながります。
 糖尿病の恐ろしさは、血糖値が高くなることで示される体のエネルギー利用の異常によって、合併症と言われるいろいろな体内の臓器の障害を起こすことにあります。たとえば、眼底出血を起こして失明したり、腎臓が悪くなって血液透析が必要になったり、神経障害によって壊疽を起こし足の切断を迫られたり、動脈硬化によって心筋梗塞や脳卒中などを引き起こしたりするのは、まさに糖尿病が、これらの合併症の基礎疾患だということを示しています。