糖尿病を防ごう
糖尿病予防のポイント
糖尿病の予防で、最も重要なポイントは食事と運動です。
食事で大切なのは、食べる量、栄養のバランス、食べ方の3点に注意することです。量についてはまず過食を控え、肥満解消、肥満予防に努めてください。
栄養バランスで注意する点は脂肪とたんぱく質の摂取割合を減らす、単純糖質である菓子類や果物をとり過ぎない、塩分とアルコール過剰に注意する、食物繊維を十分にとることなどです。食物繊維は栄養素ではありませんが、胃腸の消化吸収をゆっくりさせる効果があり、食後血糖の上昇を緩やかにさせ、食後の高血糖を防止する働きがあります。
食べ方で注意すべき点は、ゆっくり食べることです。インスリンの分泌が遅い糖尿病患者でも、時間をかけて食事をとることで、血糖上昇とインスリン分泌のタイミングを近づけることができます。これはインスリンを効率よく作用させ、食後血糖を異常に上昇させない点で非常に有利に働きます。
運動に関しては、動作量の多い仕事や家事は運動ですし、日々の歩行も立派な運動です。日常生活であまり動かない方は、とにかく体を動かすことを心がけましょう。
運動は、無理のない範囲で楽しく継続することが何より大切です。筋肉はインスリンが直接作用する重要な臓器です。運動によって筋肉内の血行状態を良好に保ち、酸素と栄養をしっかり筋肉に送り込んで筋肉を活性化させることで、また糖を細胞内に取り込むたんぱく質(グルコーストランスポーター)の量を増やして、筋肉におけるインスリン感受性を改善させ、血糖を良好に保ちます。
また、食事と運動に加えて、ストレスを上手に解消する、疲労をためないようにすることも大切です。
こうしたポイントを実践することは、インスリン感受性を高め、それが膵臓の負担を減らすことで、糖尿病だけでなく高血圧、高脂血症などすべての生活習慣病を予防することにつながります。