認知症理解する

機能面から見た変化

　一般に、安静時の生理的機能では目立った加齢変化はみられませんが、外から
ストレスが加わった時の反応をみると、 有意な差がみられます。例えば、耐糖能試
験では負荷前の値には若年者と高齢者との間に差はありませんが、負荷後２時間
の値では高齢者の血糖値は有意に高くなります。このような事実は、生体における
予備能の低下を示唆するものです。すなわち、ごく普通の安静時においては機能や
検査値には若年者も高齢者も差異がなくても、複雑な状況にさらされた場合や負荷
に対する反応には高齢者ではその低下が認められます（図４）。

説明：生理的機能の低下はまず予備能の低下から始まる。
資料：小澤利男、老化と疾患。 小澤利男編 、エッセンシャル老年医学、
　　　 医歯薬出版、東京、９-１３、１９９３