認知症理解する
暴力
暴力行為は、主に重症認知症患者にみられます。言葉が通じず、周りの状況の認
識ができないため、ちょっとした周囲の変化に対して脅威を感じ興奮します。そのた
め介護者の不注意な介入や身動き、周囲の大声による興奮などが原因で誘発され
るのです。入浴介助やオムツ交換時に介護者が蹴られたり、殴られたり、つねられ
たといった暴力は、ちょうど作用と反作用の関係に似て、働きかけに対する反応とし
て出現してきます。人目のある場所で下着を替えさせられることへの羞恥心からき
ている反応だったりすることもあります。本人の不安や興奮が生じる要因を観察し、
誘因を減らすように心がけることが大切です。 また、普段のゆっくりとした動作から
予想もできない速さで、いきなり数メ−トルも駆けよって相手に攻撃を加えるなどの
攻撃的行動がみられる場合には、薬物を使わざるを得ないことがあります。