認知症理解する
認知症の原因疾患
認知症をきたす原因疾患としては、表3のようなものがあげられます。このように
脳そのものが障害される疾患ばかりではなく、脳以外の身体疾患によっても認知症
が引き起こされることを銘記する必要があります。
表3 認知症の原因疾患
1、神経変性疾患 アルツハイマー型認知症、ピック病、パーキンソン病、ハンチントン病、 進行性核上性麻痺、脊髄小脳変性症、皮質基底核変性症など |
2、脳血管障害 血管性認知症:脳梗塞(塞栓または血栓)、脳出血などによる |
3、頭部外傷 脳挫傷、脳内出血、慢性硬膜下血腫など |
4、悪性腫瘍 脳腫瘍(原発性、転移性)、癌性髄膜炎など |
5、感染症 髄膜炎、脳炎、脳膿瘍、進行麻痺、クロイツフェルト・ヤコブ病など |
6、代謝・栄養障害 ウェルニッケ脳症、ペラグラ脳症、ビタミンB12欠乏症、肝性脳症、 電解質異常、脱水など |
7、内分泌疾患 甲状腺機能低下症、副甲状腺機能亢進症、副腎皮質機能亢進症、 副腎皮質機能低下症など |
8、中毒性疾患 薬物中毒(向精神薬、ステロイドホルモン、抗癌剤など)、アルコール、 一酸化炭素中毒、金属中毒(アルミニウム、水銀、鉛など) |
9、その他 正常圧水頭症、低酸素脳症など |
認知症の原因疾患の大部分は、アルツハイマー型認知症と血管性認知症によって占め
られています。