睡眠
睡眠時間に変化を与える要因
個人の睡眠時間に影響を与える要因としては、年齢、生活様式、季節、素因(体質)などがあげられます。まず、年齢により睡眠時間は大きな影響を受けます。10代のはじめまでは、比較的長い睡眠時間を必要としますが、10代後半から成人になって一定となり、50代まではほとんど睡眠時間は変わりません。その後60代以降は、再び睡眠時間が長くなる傾向を示します。
睡眠時間は、生活のスタイルによっても影響されます。同じ人が、日中にスポーツをするなど身体的活動を主に過ごした場合と、一日中座って仕事をしていた場合では、身体疲労からみて身体を使った日の方がより長い睡眠を必要とします。したがって、日中の活動パターンが変わった場合、必要とされる睡眠時間が変化すると考えられます。
また、季節によって睡眠時間が変化することもわかっています。冬になると夏と比べ、睡眠が長くなると感じる人は多いのです。日本人では、冬と夏で平均1時間程度睡眠時間に差があることが知られています。
睡眠時間と本人の充足感の個人差がなぜ起こるのかについてはまだ明らかにされていませんが、おそらく遺伝的な体質が関与しているものと考えられています。動物では、1日の周期を決定する遺伝子が見いだされていますので、これに相当する遺伝子の違いが人の睡眠時間の個人差と関係しているのではないかと考える説もあります。ナポレオンのように短時間しか眠らなかったといわれる人も多くいますが、よく知られているようにアインシュタインのように非常に長く眠った人もいるのです。