公益財団法人 健康・体力づくり事業財団

  • サイトマップ

睡眠

 隣で寝ている人のいびきで目が覚める、道路工事の騒音で寝つけないなど外的な音は私達の眠りに強い影響を与えます。電車の中のような騒音の中でも眠ってしまうことがあっても、時にはささいな音が気になって眠れないこともあります。
 このように騒音と眠りの関係は難しいのですが、夜間の室内許容騒音は、現在のところ40フォン(phon)以下とされています。この限度以上になると多くの人に睡眠への悪影響が出始めます。フォンという単位があらわす生活の中の音の大きさの例を挙げると、木の葉のふれあう音が20フォン、図書館での音が40フォン、目覚まし時計のベルの音が60フォン、もっともにぎやかな街路の音が80フォンとなっています。音の種類としてはホワイトノイズ(放送していないテレビなどで流れる「シャー」というような音に似たさまざまな周波数の音が含まれる音)と呼ばれる単純音よりも、生活騒音のほうが睡眠に悪影響を及ぼします。一定に連続する音と比べると不規則で間欠的な音(変化に富んだ音)のほうがより睡眠への影響が大きいようです。騒音下の睡眠中によくみられる身体反応としては、体動(ねがえり)の増加、眠りが浅くなる、睡眠中に頻回に目覚めるため一晩の実質的睡眠時間が減少する、などが挙げられます。
 いろいろな音に対する対策として、聞きたくない音を断って眠るには耳栓をしたり、寝室に防音設備をつけるなどの工夫を必要とする場合もあります。
 一方で、ある音が別の音によって気になりにくくなる「マスキング効果」を用いるのも効果的です。鳥の声や、川のせせらぎなど自然音のテープなどを寝室に流すことで、特定の騒音に気づきにくくさせ、気になる音に関連した不眠を改善できることが知られています。