公益財団法人 健康・体力づくり事業財団

  • サイトマップ

睡眠

記録法の進歩

睡眠をより客観的で明確に規定するために測定可能な指標として用いられるのは脳波を記録することから始まりました。脳波とは脳の活動に伴って発生するごく微細な電気活動でその電圧は数十〜数百マイクロボルト程度です。頭皮上に直径1cm程度の電極をつけ脳波計を使用して一晩の眠りを記録します。同時に眼瞼の両端や顎に電極をつけ眼球の動きやオトガイ筋電図を記録することにより夢をみている時の睡眠を区別することもできます(図7)。


図7 睡眠段階判定に必要な脳波(EEG)・筋電図(EMG)・眼球運動(EOG)の記録電極の標準的装着位置(Rechtschaffen & Kalesのマニュアルより一部改変して引用)

さらに、睡眠中に起こるさまざまな身体の生理的な変化を観察するために心電図や呼吸曲線、酸素分圧の変化、手足の動きを観察するための四肢筋電図の記録により、睡眠中に起こる病的な現象の観察ができるようになりました。

これらの電子機器や長時間記録の分析装置の開発進歩により1980年代から睡眠研究が著しく発展したのです。